「定期便」より質量とも充実
自分の年金記録が容易にわかるよう、日本年金機構はインターネットによる公的年金記録の確認サービス「ねんきんネット」を始めた。年金は制度が複雑なため、受給額などがわかりにくい。新サービスをうまく活用すれば、自分の年金への理解が進みそうだ。加入者に郵送される「ねんきん定期便」との違いを踏まえ、最低限チェックしたいポイントをまとめた。
日本年金機構が2月末から始めた公的年金加入者へのインターネットサービスは「ねんきんネット」という。提供する年金記録などの情報を表Aにまとめた。これらは「ねんきん定期便」でも基本的に確認できるが、ネットの方が情報が新しく、かつ量も多い。
パスワードも簡単
ねんきんネットの特徴を具体的に示そう。まず、加入開始時から直近(原則約1カ月前)までの自分の加入記録全てを、必要なときにいつでも確認できる。
ねんきん定期便は加入者の毎年の誕生日前に一度送付されるだけだ。しかも記録は2010年度分から、35歳、45歳、58歳以外の加入者には、誕生月の直近1年間分に限定されている。「加入以来の記録が掲載された09年度の定期便を保存していないと、これまでの記録全体がわからない」(社会保険労務士の大園要さん)という問題点がある。
ねんきんネットはこれまで加入した制度の情報などを月単位で確認できる。
公的年金には原則20歳以上60歳未満の人が加入する義務がある「国民年金」と、会社員が国民年金に上乗せして加入する「厚生年金」などの制度がある。
国民年金には加入者の区別がある。自営業者など国民年金だけに加入する人を「第1号被保険者」、会社員は「第2号被保険者」という。第2号被保険者の配偶者(会社員の妻が多い)で20歳以上60歳未満の人は「第3号被保険者」という。ねんきんネットは第1号と第3号の加入月は「国年」、第2号の加入月は「厚年」などと表示する。
制度ごとの加入記録や加入期間の合計についても、ねんきんネットの方が情報が豊富だ。国民年金の保険料の納付状況のほか、厚生年金では勤務先の名称や保険料の計算の基礎となった月給(標準報酬月額)などを、月単位で表示する。
国民年金の未納期間など、注意したい部分は赤色で表示。加入期間の合計も直近までの分を反映する。
インターネット上で年金記録を確認できるサービスは従来もあった。しかし、ID、パスワードの取得に約2週間かかるなど不便だった。その点、ねんきんネットは11年度分の定期便に記載したその人固有のアクセスキーと呼ばれる番号を入力すれば、即時にID、パスワードを取得でき、自分の年金記録に随時アクセスできる。今年度の定期便が届いていない人でもインターネットを通じて登録すれば、5日程度でIDとパスワードを取得できる。
ねんきんネットを中心に、最低限チェックしたい点を表Bにまとめた。
まず国民年金の加入者は未納期間に注意しよう。特に女性の場合は自分の入退社だけでなく、結婚や配偶者の退社などにより、加入者区分が変わることがあるので念入りにしたい。例えば会社員の夫と結婚して専業主婦になると第3号となるが、夫が退職すると、自分が専業主婦のままでも第1号になる。第1号への変更を申請し、保険料を納付しないと未納期間になる。
過去2年間の未納分は保険料を追加で納付(追納)できる。ねんきんネットは追納可能期間を色分け表示しており、わかりやすい。
一部免除には注意
国民年金保険料は所得が少ないなどの事情により、全部または一部が免除されることがある。注意したいのは一部免除の場合。免除されない残りの保険料を納付する必要があるが「忘れる人も多い」(大園さん)からだ。ねんきんネットは納付の必要や追納可能期間もわかりやすく表示する。
年金加入の合計期間も確認しよう。自分が受給資格があるかどうかがわかるからだ。老齢年金は原則として65歳から受給する。65歳で公的年金の加入期間が原則25年以上であれば、国民年金から老齢基礎年金を、厚生年金から老齢厚生年金をそれぞれ受給できる。
同時に確認したいのが合算対象期間(カラ期間という)。これは保険料を納めなくても受給資格期間と認められる期間のことだ。
具体的には夫が厚生年金に加入する会社員の妻は、1961年4月から86年3月までの間で、国民年金に任意に加入できたのに加入しなかった期間(主婦が20歳以上60歳未満だった期間に限る)が合算対象期間とされる。
この期間の有無や月数は、ねんきん定期便でもねんきんネットでも提示しない。ただ、ねんきんネットは合算対象期間の具体例を詳細に示しているので、加入期間の合計が25年未満の人はチェックしよう。
厚生年金の加入者は標準報酬月額にも注意。前月と比較して大幅に変動している場合は、ねんきんネットで色分けして表示される。保険料負担を減らすための意図的な記録改ざんをチェックするためだ。改ざんはあってはならないことだが、念のため確認したい。
年金額の情報では、ねんきん定期便、ねんきんネットともに、50歳を境に試算法が異なる。50歳未満の人は加入実績だけで計算するので年金額が想像以上に少ない。一方、50歳以上の人は、直近の月給が60歳まで続くと仮定した場合の見込み額を記載するため、多めに表示されることもある。
こうした問題点をカバーするため、日本年金機構は実態に即した月給の見込み額を自分で入力することにより、年金額が試算できる機能を10月末をメドに加えることを検討中だ。
2011年4月26日火曜日
2011年4月24日日曜日
障害年金、加算範囲を拡大
うつ病の会社員にも受給者が広がりつつあることで注目を集める障害年金。その仕組みが4月から一部改善された。
3月以前は障害年金の受給者が受給権を取得した後に結婚したり、子供が生まれたりした場合では配偶者や子供への加算額を受け取れなかった。それが4月以降は年金受給権を取得後でも配偶者などへの加算額を受給できるようになった。
受給権を得た時点で既に配偶者や子供がいる受給者は以前から加算対象。このため「同じ障害年金の受給者なのに不公平だ」との批判が強まり、制度が改正された。加算額は配偶者と第1子、第2子がいずれも22万7000円(年額)、第3子以降の子供は各7万5600円(同)だ。
日本年金機構では3月末に障害年金の受給権者約200万人を対象に今回の改正内容を郵送した。「20代から障害年金を受給し始め、その後に結婚、出産のケースは少なくない」(社会保険労務士の山下律子さん)。年金事務所や社労士への問い合わせも増えるなど「関心は高まっている」(日本年金機構)という。
3月以前は障害年金の受給者が受給権を取得した後に結婚したり、子供が生まれたりした場合では配偶者や子供への加算額を受け取れなかった。それが4月以降は年金受給権を取得後でも配偶者などへの加算額を受給できるようになった。
受給権を得た時点で既に配偶者や子供がいる受給者は以前から加算対象。このため「同じ障害年金の受給者なのに不公平だ」との批判が強まり、制度が改正された。加算額は配偶者と第1子、第2子がいずれも22万7000円(年額)、第3子以降の子供は各7万5600円(同)だ。
日本年金機構では3月末に障害年金の受給権者約200万人を対象に今回の改正内容を郵送した。「20代から障害年金を受給し始め、その後に結婚、出産のケースは少なくない」(社会保険労務士の山下律子さん)。年金事務所や社労士への問い合わせも増えるなど「関心は高まっている」(日本年金機構)という。
持病あっても入れる医療保険は?――まず「一般型」で確認を
ファイナンシャルプランナー 畠中雅子氏
老後に備えて、終身の医療保険に加入しようと考えています。最近は血圧が高く、降圧剤を飲んでいるのですが、持病があっても入れる医療保険があると聞きました。どのようなものでしょうか。(長野県、50歳、男性)
持病があっても入れる医療保険とは、「限定告知型」と呼ばれるタイプのことでしょう。通常、医療保険に加入するには、健康状態を告知する必要があるのですが、この項目を簡単にすることで、持病がある人でも入りやすくしたものです。近々、入院や手術の予定がないかどうかや、過去2年以内に入院や手術をしたことがないかといった項目に該当しなければ加入することができます。
ただし、健康な人に比べてリスクが高いと見なされるため、保険料が割高になっています。表に一般的な医療保険と限定告知型の保険料の差をまとめましたが、40歳では2倍超になるなど、若いうちに加入するほど大きな差があります。
相談者の方は、高血圧の症状を改善するために服薬して治療をしているということですので、まずは一般の医療保険に加入できるかどうかを確認することをおすすめします。高血圧や高脂血症などの持病があっても、入院歴がなく、薬を飲むなどきちんと管理をしていれば、一般の医療保険に加入できるケースが多いからです。細かな加入条件は保険会社によって異なるので、コールセンターなどで問い合わせるといいでしょう。
50歳から終身保障の医療保険に加入する場合は、60歳や65歳までで保険料の払い込みが終わる有期払いにするのは難しいので、終身払いにするのが一般的。定年後も保険料を払い続ける必要があるので、保障内容を手厚くするよりも、保険料をなるべく安く抑えることを優先してください。2カ月程度続けて支払いが滞ると失効してしまうことがあるため、年金生活になって所得が減っても無理なく払い続けることができるかを目安に考えましょう。
高血圧のほかに合併症があるなどで、限定告知型でなければ加入できない人は、月々の保険料が高額になってしまうかもしれません。あまり高額になって払い続けるのが難しいようなら、預貯金で備えたほうがいいかもしれません。
老後に備えて、終身の医療保険に加入しようと考えています。最近は血圧が高く、降圧剤を飲んでいるのですが、持病があっても入れる医療保険があると聞きました。どのようなものでしょうか。(長野県、50歳、男性)
持病があっても入れる医療保険とは、「限定告知型」と呼ばれるタイプのことでしょう。通常、医療保険に加入するには、健康状態を告知する必要があるのですが、この項目を簡単にすることで、持病がある人でも入りやすくしたものです。近々、入院や手術の予定がないかどうかや、過去2年以内に入院や手術をしたことがないかといった項目に該当しなければ加入することができます。
ただし、健康な人に比べてリスクが高いと見なされるため、保険料が割高になっています。表に一般的な医療保険と限定告知型の保険料の差をまとめましたが、40歳では2倍超になるなど、若いうちに加入するほど大きな差があります。
相談者の方は、高血圧の症状を改善するために服薬して治療をしているということですので、まずは一般の医療保険に加入できるかどうかを確認することをおすすめします。高血圧や高脂血症などの持病があっても、入院歴がなく、薬を飲むなどきちんと管理をしていれば、一般の医療保険に加入できるケースが多いからです。細かな加入条件は保険会社によって異なるので、コールセンターなどで問い合わせるといいでしょう。
50歳から終身保障の医療保険に加入する場合は、60歳や65歳までで保険料の払い込みが終わる有期払いにするのは難しいので、終身払いにするのが一般的。定年後も保険料を払い続ける必要があるので、保障内容を手厚くするよりも、保険料をなるべく安く抑えることを優先してください。2カ月程度続けて支払いが滞ると失効してしまうことがあるため、年金生活になって所得が減っても無理なく払い続けることができるかを目安に考えましょう。
高血圧のほかに合併症があるなどで、限定告知型でなければ加入できない人は、月々の保険料が高額になってしまうかもしれません。あまり高額になって払い続けるのが難しいようなら、預貯金で備えたほうがいいかもしれません。
震災生活再建、民間が支援――住宅ローンなどの返済は?、資金手当てどうなる?
東日本大震災から1カ月余りが過ぎ、生活再建への動きが広がってきた。被災者にとって定期的に支払うお金や住宅ローンの返済をどうするか、生活を立て直す資金をどう手当てするかなどは大きな課題だ。金融機関や民間企業が打ち出している支援策をまとめた。
住宅ローンなどの返済は?
期間延長・額を抑制
被災して住宅ローンの返済が難しくなったら、早めに銀行で返済負担を抑える相談をするのが望ましい。大きく分けて、返済期間を変えずに一時的に毎月返済額を減らす方法と、返済期間を延長して返済終了まで毎月返済額を抑える方法がある。どちらも、毎月返済額のうち元金返済の部分を減らすことで負担を減らすしくみが普通だ。一時的に返済額を減らす方法では、減額期間が終わった後の返済額が以前より増える。
大手銀行では住宅ローンを借りた支店でなくても、全国どこでも相談を受ける。電話でも相談でき、被災者専用の電話相談窓口を設ける銀行もある。返済期間や返済額を変更する手続きには原則、罹災(りさい)証明書が必要だ。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の住宅ローンは、フラット35も機構(公庫)融資も、被害の程度に応じて最長3年間、利息も含めて返済を待ってもらえる可能性がある。ただし、返済を待ってもらう据置期間に利息の負担は増えてしまう。機構(公庫)融資は、最長3年の据置期間の金利を0・5~1・5%引き下げられる場合もある。
クレジットカードの支払いについては、カード会社に相談すると一時的に支払いを待ってもらえることがある。残高不足でも、主なカード会社は当面、督促しない方針だ。ただ、支払いがないと原則、カードは一時的に使えなくなる。クレジットカードをなくした被災者は、一般に手数料無料で再発行してもらえる。
資金手当てどうなる?
融資の金利優遇 保険支払い迅速
住まいの確保や家財の購入などに必要なお金をどうするか。銀行や保険会社で、当面の資金手当てを後押しする動きが広がっている。
大手銀行は、被災者が新しい家を買うときの住宅ローン金利を引き下げている。引き下げ幅は店頭基準金利から1・4~1・5%程度が一般的だ。すでに住宅ローンがある人でも借りられることが多い。ただし、借入可能額はすでに借りているローンと合わせて判断されるようだ。
家を修繕する場合は、無担保のリフォームローンがある。店頭基準金利より金利は優遇されるが、引き下げ幅や融資額は各行でかなり違う。
住宅以外のローンを支援する例もある。三菱東京UFJ銀行は、自動車ローンや教育ローンなどの金利を被災者向けに店頭基準金利より0・5%引き下げる。ただ、同行で住宅ローンを借りている人が教育ローンなどを使う場合、被災者向けより住宅ローン利用者向けの優遇サービスのほうが金利の引き下げ幅が1%と大きい。同じような住宅ローン利用者向けの金利優遇はほかの銀行にもあるので、幅広く相談するとよさそうだ。
加入する生命保険から貸し付けを受けられる場合もある。終身保険など解約返戻金がたまりやすい保険では「契約者貸付」という仕組みを使える。解約返戻金の範囲内で保険会社が決める限度額まで借りられ、元利合計額が解約返戻金を超えない限り返済はいつでもいい。最終的には未返済の元利金の合計が死亡保険金や満期保険金と相殺される。金利は保険契約によって違うが、大手生保の多くは被災者を対象に、6月までに申し込めば2011年内は年利1・5%に引き下げる。
生活再建資金として保険金も早く受け取れるよう手続きが見直されている。地震保険や生命保険は、契約先の保険会社が分からなければ、日本損害保険協会や生命保険協会の相談窓口で調べてもらえる。保険証券がなくても本人確認ができれば保険金を受け取れる。死亡保険金の受け取りでは、通常は必要な戸籍謄本などの書類がそろわなくても手続きができる。
銀行預金については、一般的に本人が亡くなった場合は相続手続きが終わらないと引き出せないが、弾力的な対応が広がっている。全国銀行協会によると、相続手続きがまだでも、預金者との関係などが確認できれば、当面の生活費などを引き出せるようにしている銀行もある。
みずほ銀行は、土曜日を中心に預金や住宅ローンなど幅広く被災者の相談を受ける休日相談窓口を、被災地を含む9カ所の店舗に開設した。
銀行や保険会社などの電話相談窓口は、金融庁がインターネットで紹介している。(大賀智子、長岡良幸)
保険や通信費の支払いは?
遅れに柔軟に対応
毎月支払う生命保険の保険料はどうなるか。通常、支払いが2カ月滞ると、それまでに蓄積した解約返戻金の範囲で保険料分が自動的に貸し付けられ、解約返戻金がなければ契約が失効する。ただ生命保険協会によると、災害時は特別な対応になる。災害救助法の適用地域の被災者は原則、保険料を支払えなくなっても最大6カ月間は猶予され、契約を継続できる。
銀行口座からの引き落としで払っている場合、残高があれば支払いが続くが、生保によっては引き落としを一時止める相談に応じるという。
携帯電話各社も3~4月に請求する料金について、金融機関などの窓口での支払期限を延期した。5月以降も「状況を見ながら(延期を)検討する」(KDDIの田中孝司社長)と柔軟に対応する構えだ。銀行口座からの引き落としは期日通りだが、残高が足りない場合には支払期限を延長する。
震災直後は通信各社の設備が被害を受け、広い範囲で通話や通信ができなくなった。設備の問題で電話が使えなかった地域の契約者に対しては、基本料金などを期間に応じて日割りで計算する。
大学や大手予備校では、本人や家族が被災した学生の入学金や授業料を減免する制度を設けている場合が多い。震災の影響で世帯収入が大幅に減った場合も対象となる。入学金などを納入済みでも、減免制度の対象となれば返金される場合もある。来年度以降の授業料減免に前向きな大学も多い。予備校では入学金や授業料のほか、寮費も減免の対象にしている。
住宅ローンなどの返済は?
期間延長・額を抑制
被災して住宅ローンの返済が難しくなったら、早めに銀行で返済負担を抑える相談をするのが望ましい。大きく分けて、返済期間を変えずに一時的に毎月返済額を減らす方法と、返済期間を延長して返済終了まで毎月返済額を抑える方法がある。どちらも、毎月返済額のうち元金返済の部分を減らすことで負担を減らすしくみが普通だ。一時的に返済額を減らす方法では、減額期間が終わった後の返済額が以前より増える。
大手銀行では住宅ローンを借りた支店でなくても、全国どこでも相談を受ける。電話でも相談でき、被災者専用の電話相談窓口を設ける銀行もある。返済期間や返済額を変更する手続きには原則、罹災(りさい)証明書が必要だ。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の住宅ローンは、フラット35も機構(公庫)融資も、被害の程度に応じて最長3年間、利息も含めて返済を待ってもらえる可能性がある。ただし、返済を待ってもらう据置期間に利息の負担は増えてしまう。機構(公庫)融資は、最長3年の据置期間の金利を0・5~1・5%引き下げられる場合もある。
クレジットカードの支払いについては、カード会社に相談すると一時的に支払いを待ってもらえることがある。残高不足でも、主なカード会社は当面、督促しない方針だ。ただ、支払いがないと原則、カードは一時的に使えなくなる。クレジットカードをなくした被災者は、一般に手数料無料で再発行してもらえる。
資金手当てどうなる?
融資の金利優遇 保険支払い迅速
住まいの確保や家財の購入などに必要なお金をどうするか。銀行や保険会社で、当面の資金手当てを後押しする動きが広がっている。
大手銀行は、被災者が新しい家を買うときの住宅ローン金利を引き下げている。引き下げ幅は店頭基準金利から1・4~1・5%程度が一般的だ。すでに住宅ローンがある人でも借りられることが多い。ただし、借入可能額はすでに借りているローンと合わせて判断されるようだ。
家を修繕する場合は、無担保のリフォームローンがある。店頭基準金利より金利は優遇されるが、引き下げ幅や融資額は各行でかなり違う。
住宅以外のローンを支援する例もある。三菱東京UFJ銀行は、自動車ローンや教育ローンなどの金利を被災者向けに店頭基準金利より0・5%引き下げる。ただ、同行で住宅ローンを借りている人が教育ローンなどを使う場合、被災者向けより住宅ローン利用者向けの優遇サービスのほうが金利の引き下げ幅が1%と大きい。同じような住宅ローン利用者向けの金利優遇はほかの銀行にもあるので、幅広く相談するとよさそうだ。
加入する生命保険から貸し付けを受けられる場合もある。終身保険など解約返戻金がたまりやすい保険では「契約者貸付」という仕組みを使える。解約返戻金の範囲内で保険会社が決める限度額まで借りられ、元利合計額が解約返戻金を超えない限り返済はいつでもいい。最終的には未返済の元利金の合計が死亡保険金や満期保険金と相殺される。金利は保険契約によって違うが、大手生保の多くは被災者を対象に、6月までに申し込めば2011年内は年利1・5%に引き下げる。
生活再建資金として保険金も早く受け取れるよう手続きが見直されている。地震保険や生命保険は、契約先の保険会社が分からなければ、日本損害保険協会や生命保険協会の相談窓口で調べてもらえる。保険証券がなくても本人確認ができれば保険金を受け取れる。死亡保険金の受け取りでは、通常は必要な戸籍謄本などの書類がそろわなくても手続きができる。
銀行預金については、一般的に本人が亡くなった場合は相続手続きが終わらないと引き出せないが、弾力的な対応が広がっている。全国銀行協会によると、相続手続きがまだでも、預金者との関係などが確認できれば、当面の生活費などを引き出せるようにしている銀行もある。
みずほ銀行は、土曜日を中心に預金や住宅ローンなど幅広く被災者の相談を受ける休日相談窓口を、被災地を含む9カ所の店舗に開設した。
銀行や保険会社などの電話相談窓口は、金融庁がインターネットで紹介している。(大賀智子、長岡良幸)
保険や通信費の支払いは?
遅れに柔軟に対応
毎月支払う生命保険の保険料はどうなるか。通常、支払いが2カ月滞ると、それまでに蓄積した解約返戻金の範囲で保険料分が自動的に貸し付けられ、解約返戻金がなければ契約が失効する。ただ生命保険協会によると、災害時は特別な対応になる。災害救助法の適用地域の被災者は原則、保険料を支払えなくなっても最大6カ月間は猶予され、契約を継続できる。
銀行口座からの引き落としで払っている場合、残高があれば支払いが続くが、生保によっては引き落としを一時止める相談に応じるという。
携帯電話各社も3~4月に請求する料金について、金融機関などの窓口での支払期限を延期した。5月以降も「状況を見ながら(延期を)検討する」(KDDIの田中孝司社長)と柔軟に対応する構えだ。銀行口座からの引き落としは期日通りだが、残高が足りない場合には支払期限を延長する。
震災直後は通信各社の設備が被害を受け、広い範囲で通話や通信ができなくなった。設備の問題で電話が使えなかった地域の契約者に対しては、基本料金などを期間に応じて日割りで計算する。
大学や大手予備校では、本人や家族が被災した学生の入学金や授業料を減免する制度を設けている場合が多い。震災の影響で世帯収入が大幅に減った場合も対象となる。入学金などを納入済みでも、減免制度の対象となれば返金される場合もある。来年度以降の授業料減免に前向きな大学も多い。予備校では入学金や授業料のほか、寮費も減免の対象にしている。
2011年4月19日火曜日
新社会人の常識お金との付き合い方(下)給与明細書、受け取ったら
手当・天引きも把握
支給項目 基本給などの「対価」 控除項目 税・保険役割知ろう
4月も半ばを過ぎ、新社会人の多くがもうすぐ初めての給与を手にする。給与明細書が配られたら、手取り金額だけに注目するのではなく、各種の手当や天引き項目などにも目を通すことが大切だ。毎月の給与から支払う社会保険料や税の使い道、役割を知ることで、社会人として必要な知識が身に付くからだ。
「給与明細書には会社に貢献した対価と、社会に貢献した費用が網羅されている」。こう話すのはファイナンシャルプランナー(FP)の山中伸枝さんだ。
社会人になれば学生時代と違い、一日の大半を仕事に費やす。「対価」の部分ばかりを意識していると、「もらえる額」である手取り額しか注目しないようになる。「貢献」の方にも目を向けることで「明細全体をきちんと読むようになる」と山中さんは説く。
表は新社会人の一般的な給与明細書の例だ。ちなみに、手取り額とは「総支給額」から社会保険料と税金を差し引いた金額のことを指す。
明細は3部構成
税理士の大沢育郎さんは「給与明細書は『勤怠』『支給』『控除』の3部構成」と説明する。「勤怠項目」には残業時間、休日出勤時間、欠勤日数など給与支払いの基となるデータが記される。表にはないが、有給休暇の残日数なども確認することができる。
「支給項目」は基本給と各種の手当で構成する。手当の種類は業種や規模、個々の業務内容によって様々で、役職手当、時間外手当、家族手当などが一般的だ。仕事で使う携帯電話の通信手当や、資格取得を促す資格手当などを設けている会社もある。これらの手当は課税対象となる。半面、一定額までの通勤手当は非課税扱いだ。
休日数や基本給、手当の額、支給要件などは勤め先の「就業規則」や「給与規定」で定められている。きちんと目を通し、理解を深めておこう。
一方、「社会への貢献」に該当するのが「控除項目」(天引きされる項目)。中でも額が大きいのが、健康保険や厚生年金といった社会保険料だ。新社会人の場合、健康保険と厚生年金の保険料引き去りを5月からとしている会社も多い。
社会保険とは制度への加入者が支払う保険料と、国や地方自治体が拠出する税金とで運営する「社会全体の助け合いの仕組み」(社会保険労務士の安藤貴裕さん)のこと。天引き額は総支給額を等級に当てはめ、法律で決めた料率を掛けて算出する。
もちろん、払い損になるのではなく、納めた本人にもメリットがある。
最も身近なのは健康保険。会社員が加入するのは、主に中小企業の社員が加入する「協会けんぽ」と、企業や業種ごとに運営し、大企業の従業員が多く加入する「組合健康保険」。
家族も含めて、医療費の自己負担割合が実際の費用の3割で済む。入院などで1カ月の医療費が高額になった場合でも、自己負担を一定に抑える「高額療養費制度」もある。
けがや病気で働けなくなった時に給付される「傷病手当金」や「出産手当金」などは、自営業者などが加入する国民健康保険にはない給付メニューだ。
厚生年金保険料は主に65歳以降に受け取る老齢年金の掛け金。会社員は厚生年金に加入することで、同時に国民年金にも加入している。「年をとるまで自分には関係がないと思っている人も多い」(安藤さん)が、若くして障害を負った時に受け取る年金や、死亡時に遺族が受け取れる年金もある。
雇用保険は失業時の給付が主だが、育児や介護で休業する時には、給料の一定割合が支給される。
健康保険と厚生年金は保険料の半額を、雇用保険は通常約6割を会社側が負担している。労災保険は「保険料が全額会社負担のため、給与明細書に記載はないが、労働者を守る社会保険のひとつ」(安藤さん)。業務中や通勤途中に負ったけがなどの治療費が全額支払われる。
税理士の大沢さんは、これらの社会保険制度を「社会人のセーフティーネット」と呼ぶ。FPの山中さんも「充実した給付内容を知れば、独身のうちから手厚い保障内容の生命保険や医療保険に入るといった無駄を省ける」と指摘。そのうえで「目標は買い物でも旅行でもいい。新社会人は毎月一定額を貯金に回す癖をつけたい」と話す。
確定申告で還付
所得税と住民税は、社会保険料と通勤手当を差し引いた「課税対象額」から計算される。住民税は前年の給料が対象のため、新社会人1年目は払わない。納めた税金は警察や消防、ごみ収集などの公共サービス、道路整備などに使われている。
所得税は年間を通して同程度の収入があるとの前提で計算している。課税額は1年間の収入が確定する12月に勤務先で「年末調整」をし、確定させる。原則、年10万円以上の医療費がかかった人や、住宅ローンを借りて購入した家に住んで1年目の人などは税務署に「確定申告」をすると、納めた税金が戻ってくる。
支給項目 基本給などの「対価」 控除項目 税・保険役割知ろう
4月も半ばを過ぎ、新社会人の多くがもうすぐ初めての給与を手にする。給与明細書が配られたら、手取り金額だけに注目するのではなく、各種の手当や天引き項目などにも目を通すことが大切だ。毎月の給与から支払う社会保険料や税の使い道、役割を知ることで、社会人として必要な知識が身に付くからだ。
「給与明細書には会社に貢献した対価と、社会に貢献した費用が網羅されている」。こう話すのはファイナンシャルプランナー(FP)の山中伸枝さんだ。
社会人になれば学生時代と違い、一日の大半を仕事に費やす。「対価」の部分ばかりを意識していると、「もらえる額」である手取り額しか注目しないようになる。「貢献」の方にも目を向けることで「明細全体をきちんと読むようになる」と山中さんは説く。
表は新社会人の一般的な給与明細書の例だ。ちなみに、手取り額とは「総支給額」から社会保険料と税金を差し引いた金額のことを指す。
明細は3部構成
税理士の大沢育郎さんは「給与明細書は『勤怠』『支給』『控除』の3部構成」と説明する。「勤怠項目」には残業時間、休日出勤時間、欠勤日数など給与支払いの基となるデータが記される。表にはないが、有給休暇の残日数なども確認することができる。
「支給項目」は基本給と各種の手当で構成する。手当の種類は業種や規模、個々の業務内容によって様々で、役職手当、時間外手当、家族手当などが一般的だ。仕事で使う携帯電話の通信手当や、資格取得を促す資格手当などを設けている会社もある。これらの手当は課税対象となる。半面、一定額までの通勤手当は非課税扱いだ。
休日数や基本給、手当の額、支給要件などは勤め先の「就業規則」や「給与規定」で定められている。きちんと目を通し、理解を深めておこう。
一方、「社会への貢献」に該当するのが「控除項目」(天引きされる項目)。中でも額が大きいのが、健康保険や厚生年金といった社会保険料だ。新社会人の場合、健康保険と厚生年金の保険料引き去りを5月からとしている会社も多い。
社会保険とは制度への加入者が支払う保険料と、国や地方自治体が拠出する税金とで運営する「社会全体の助け合いの仕組み」(社会保険労務士の安藤貴裕さん)のこと。天引き額は総支給額を等級に当てはめ、法律で決めた料率を掛けて算出する。
もちろん、払い損になるのではなく、納めた本人にもメリットがある。
最も身近なのは健康保険。会社員が加入するのは、主に中小企業の社員が加入する「協会けんぽ」と、企業や業種ごとに運営し、大企業の従業員が多く加入する「組合健康保険」。
家族も含めて、医療費の自己負担割合が実際の費用の3割で済む。入院などで1カ月の医療費が高額になった場合でも、自己負担を一定に抑える「高額療養費制度」もある。
けがや病気で働けなくなった時に給付される「傷病手当金」や「出産手当金」などは、自営業者などが加入する国民健康保険にはない給付メニューだ。
厚生年金保険料は主に65歳以降に受け取る老齢年金の掛け金。会社員は厚生年金に加入することで、同時に国民年金にも加入している。「年をとるまで自分には関係がないと思っている人も多い」(安藤さん)が、若くして障害を負った時に受け取る年金や、死亡時に遺族が受け取れる年金もある。
雇用保険は失業時の給付が主だが、育児や介護で休業する時には、給料の一定割合が支給される。
健康保険と厚生年金は保険料の半額を、雇用保険は通常約6割を会社側が負担している。労災保険は「保険料が全額会社負担のため、給与明細書に記載はないが、労働者を守る社会保険のひとつ」(安藤さん)。業務中や通勤途中に負ったけがなどの治療費が全額支払われる。
税理士の大沢さんは、これらの社会保険制度を「社会人のセーフティーネット」と呼ぶ。FPの山中さんも「充実した給付内容を知れば、独身のうちから手厚い保障内容の生命保険や医療保険に入るといった無駄を省ける」と指摘。そのうえで「目標は買い物でも旅行でもいい。新社会人は毎月一定額を貯金に回す癖をつけたい」と話す。
確定申告で還付
所得税と住民税は、社会保険料と通勤手当を差し引いた「課税対象額」から計算される。住民税は前年の給料が対象のため、新社会人1年目は払わない。納めた税金は警察や消防、ごみ収集などの公共サービス、道路整備などに使われている。
所得税は年間を通して同程度の収入があるとの前提で計算している。課税額は1年間の収入が確定する12月に勤務先で「年末調整」をし、確定させる。原則、年10万円以上の医療費がかかった人や、住宅ローンを借りて購入した家に住んで1年目の人などは税務署に「確定申告」をすると、納めた税金が戻ってくる。
2011年4月17日日曜日
カードローン、金利下げ相次ぐ
使い道が限定されず、利用限度額までなら何度でも借りられる利点があるのがカードローンだ。急な出費でお金が足りず、利用したことがある人もいるだろう。最近では利用者獲得に力を入れる銀行だけでなく、クレジットカード会社や消費者金融会社などのノンバンクでも貸付金利を引き下げる動きが相次いでいる。
三井住友カードは3月に「三井住友カードゴールドローン」の上限金利を年12・8%から9・8%に引き下げた。三菱東京UFJ銀行系のモビットも下限金利を7・5%から4・8%に引き下げた。金利が5~14%程度の大手銀行などと比べると、有利に借りられることがある。
カードローンを申し込む際には、利用限度額などを決める事前審査を受ける必要がある。審査の結果次第では、想定していた条件で利用できないこともある。また、ノンバンクのカードローンは改正貸金業法の規制対象で、借入総額は利用者の年収の3分の1までに制限されている。銀行のカードローンはこの規制の対象外となっている。
三井住友カードは3月に「三井住友カードゴールドローン」の上限金利を年12・8%から9・8%に引き下げた。三菱東京UFJ銀行系のモビットも下限金利を7・5%から4・8%に引き下げた。金利が5~14%程度の大手銀行などと比べると、有利に借りられることがある。
カードローンを申し込む際には、利用限度額などを決める事前審査を受ける必要がある。審査の結果次第では、想定していた条件で利用できないこともある。また、ノンバンクのカードローンは改正貸金業法の規制対象で、借入総額は利用者の年収の3分の1までに制限されている。銀行のカードローンはこの規制の対象外となっている。
海外投信、為替ヘッジつけるべき?――「ヘッジなし」型が基本
ファイナンシャルプランナー 深野康彦氏
海外の株式や債券で運用する投資信託に興味があります。海外投信には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類があると聞きましたが、違いがよく分かりません。どちらを選ぶとよいでしょうか。(埼玉県、39歳、男性)
海外資産に投資すると、一般に為替相場の動向が運用成績に影響を与えます。現地通貨に対して円高が進むと投資先の資産を円に戻す際に目減りします。逆に円安が進むと円に換える際にその分上乗せされます。為替ヘッジとは通貨の先物取引やオプション取引などを使って、運用成績が為替変動の影響を受けにくくする手法のことです。
為替ヘッジには当然、コストがかかります。このコストは主に日本と投資先の国の金利差で決まります。日本よりも金利が高い米国の株や債券に投資する場合、米フェデラルファンド(FF)金利の上限の0・25%から日銀の政策金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利の上限の0・1%を差し引いた、0・15%をコストと考えます。
投資先と日本の金利差が拡大するほど為替ヘッジのコストは高く、縮小すると安くなります。2008年9月の米リーマン・ショック以降、主要国は政策金利を引き下げてきました(グラフ)。もともと低金利だった日本との金利差が縮小した結果、為替ヘッジのコストは低水準で推移してきました。
ただし、今後も同じ傾向が続くとは限りません。3月に主要7カ国が東日本大震災直後の急速な円高を阻止しようと協調介入を実施したことで、今後は円安基調に変わる可能性が出てきました。7日には欧州中央銀行が過度な物価上昇を防ごうと利上げを決めたほか、米国も近い将来、利上げが想定されています。一方、景気が停滞している日本は金融緩和が続く見込みで、金利差拡大から為替ヘッジコストは今後上昇する可能性があります。
海外資産への投資は、保有資産の通貨を分散することで為替相場の変動による影響を抑える効果があります。為替ヘッジのあるタイプだと円資産のみに投資しているのと同じで、こうした効果が得られません。将来、円高が見込める場合などを除けば、為替ヘッジのないタイプへの投資が基本と考えてください。
海外の株式や債券で運用する投資信託に興味があります。海外投信には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類があると聞きましたが、違いがよく分かりません。どちらを選ぶとよいでしょうか。(埼玉県、39歳、男性)
海外資産に投資すると、一般に為替相場の動向が運用成績に影響を与えます。現地通貨に対して円高が進むと投資先の資産を円に戻す際に目減りします。逆に円安が進むと円に換える際にその分上乗せされます。為替ヘッジとは通貨の先物取引やオプション取引などを使って、運用成績が為替変動の影響を受けにくくする手法のことです。
為替ヘッジには当然、コストがかかります。このコストは主に日本と投資先の国の金利差で決まります。日本よりも金利が高い米国の株や債券に投資する場合、米フェデラルファンド(FF)金利の上限の0・25%から日銀の政策金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利の上限の0・1%を差し引いた、0・15%をコストと考えます。
投資先と日本の金利差が拡大するほど為替ヘッジのコストは高く、縮小すると安くなります。2008年9月の米リーマン・ショック以降、主要国は政策金利を引き下げてきました(グラフ)。もともと低金利だった日本との金利差が縮小した結果、為替ヘッジのコストは低水準で推移してきました。
ただし、今後も同じ傾向が続くとは限りません。3月に主要7カ国が東日本大震災直後の急速な円高を阻止しようと協調介入を実施したことで、今後は円安基調に変わる可能性が出てきました。7日には欧州中央銀行が過度な物価上昇を防ごうと利上げを決めたほか、米国も近い将来、利上げが想定されています。一方、景気が停滞している日本は金融緩和が続く見込みで、金利差拡大から為替ヘッジコストは今後上昇する可能性があります。
海外資産への投資は、保有資産の通貨を分散することで為替相場の変動による影響を抑える効果があります。為替ヘッジのあるタイプだと円資産のみに投資しているのと同じで、こうした効果が得られません。将来、円高が見込める場合などを除けば、為替ヘッジのないタイプへの投資が基本と考えてください。
金券ショップ、お得に活用、新幹線の回数券、量販店の商品券、航空会社の株主優待券
新幹線の回数券 競争映し都内が割安
量販店の商品券 付与ポイントも同じ
航空会社の株主優待券 遠距離ほど利用価値
新幹線回数券や商品券を割安に販売する金券ショップ。景気低迷が長引くなか、出張の経費を減らしたい会社員や1円でも節約したい主婦の強い味方だ。金券店のお得な活用法を紹介する。
金券店が並ぶ東京・新宿。大阪から就職活動で来た女子大学生は3店ほど回り、一番安い店で帰りに使う東京―新大阪の新幹線回数券を買った。夜行バスの方が安いが「一生に一度の就職活動。夜行バスで眠れず体調を崩したら後悔する」と新幹線を選んだ。
目的別に使い分け
新幹線の指定席回数券は金券店で最も人気がある商品の一つ。4月中旬時点の東京―新大阪の回数券は、都内の金券店で1万2850~1万3000円と正規の指定席料金に比べ1000円程度安い。大阪・梅田地区では1万3100円が中心だ。都内の金券店は競争が激しく、最近は大阪よりも安いことが多い。
使い方は簡単だ。金券店で買った回数券をJRのみどりの窓口に持っていき、日付と出発時間を指定すればいい。JRにはネットを使った様々な新幹線の予約割引があるが、3日前までの予約を求められるなど制約も多い。
家電量販店の商品券も人気が高い。ビックカメラやヨドバシカメラの額面1000円の商品券が、金券店なら990~995円で購入できる。店頭では現金払いと同じ扱いで、付与ポイントも同じだ。クレジットカード会社のギフトカード(商品券)も金券店が扱い、家電量販店で利用できる。JCBギフトカード(額面1000円)やVISAギフトカード(同)は、975~980円が中心だ。
カード会社の商品券が家電量販店のものより安いのは、利用時にたまるポイントの差を反映している。ビックカメラやヨドバシカメラの商品券で買い物をすると購入額の10%程度のポイントが付くことが多い。一方、家電量販店でカード会社の商品券を使うとポイントは8%程度にとどまる。その分、カード会社の商品券は店頭価格が安い。
金券店、ウイングカードシステム(東京・港)の中山定則社長は「同じ店に頻繁に通いポイントをためるには量販店の商品券がおすすめ」と話す。一方、カード会社の商品券はレジャーや外食など幅広く使える利点がある。
金券の人気は景気や世の中の動きを敏感に反映する。東日本大震災の直後はテレビの子ども向け番組が軒並み中止になったため、アニメ映画のチケットが品薄になった。「大人用と子ども用のチケットを合わせて買う人が多かった」(都内の金券店)
映画の入場券は金券店の定番商品で、前売り券を定価で買うのに比べ2~3%安い店が多い。ディズニーアニメの「塔の上のラプンツェル」や東映の「レッツゴー仮面ライダー」の前売り券大人1枚(定価1300円)が1270~1280円で並ぶ。当日券(1800円)と比べるとお得感がさらに強い。
金券店の品ぞろえは季節によっても変わる。企業が提供する株主優待券は5月末から店頭に並ぶことが多い。株主優待券はレストランや食品の割引券、遊園地の入場券など幅広い。毎年すぐ売り切れる人気商品もある。金券店の大黒屋(東京・中央)の担当者は「自分も知らなかった優待券を仕入れることがある」という。金券店を10年ほど前から利用している50代の男性は「珍しいチケットを見つけるのも楽しみのひとつ」と話す。
株主優待券のなかで航空会社は仕組みが独特だ。優待券を空港の発券カウンターに持ち込むと国内線の航空券が正規料金の半額になる。優待券の購入費用と正規料金の半額の合計が利用者の負担だ。
有効期限など注意
優待券の利用価値は正規運賃の高い遠距離路線ほど高い。4月中旬時点で全日本空輸の優待券は都心の金券ショップで7300~7500円。優待券を使えば羽田―那覇、札幌だけでなく、羽田―高松や富山でも割安感がある。航空会社の早期予約の割引制度は、ゴールデンウイークやお盆などの混雑期は対象外であることが多いが、優待券なら混雑期も利用できる。会社更生法の適用を申請した日本航空は昨年6月以降、優待券の発行を中止している。
優待券の価格は市場での需給関係によって大きく変わる。全日空の優待券は3月上旬には9000円強と直近よりも2割以上高かった。優待券を賢く使うには、どの程度割安になるか、きめ細かく計算する必要がある。
注意すべきなのは、全日空の優待券の使い方だ。これまでは優待券の有効期限内に航空券の発券を受ければよかったが、6月から使える2011年度上期発行分の優待券からは有効期限内に搭乗しなければならなくなった。
現在流通している優待券の有効期限は5月末。この時期になると、金券店は在庫が紙切れになるのを避けるため大幅値下げすることが多い。一部の消費者は5月末に格安の優待券を買い、発券から90日間有効で日程変更もできるオープンチケットを購入していた。夏休みに格安で国内旅行を楽しめる裏技だったが、この方法は新しい優待券では使えなくなる。(中村亮)
ネットオークション
一目で価格比較
値下げ交渉機能も
インターネットのオークションでも金券を購入できる。1店ずつ探して歩く必要のある金券店に対し「一目で価格を比較できるのがネットオークションの強み」(楽天オークション、東京・品川)で、若者を中心に利用者は多い。値下げ交渉できる機能もあり、金券店よりも安く購入できることもある。
ヤフーが運営するヤフー・オークションは商品の出品者と買い手が直接、価格交渉できる。買い手が希望価格を示し出品者が受け入れるか判断する仕組みで、3回まで交渉できる。「出品者が適当な価格が分からず高額の値段をつけている場合などは、値下げ交渉機能で成約する確率が上がる」(同社)という。
オークファン(東京・渋谷)ではオークションの落札相場を検索できる。落札時期や商品の種類、ネットオークション運営会社ごとに調べられる。相場よりも安く売ったり、高く買ったりするのを防ぐ参考として利用できそうだ。
落札者は送料を負担し、出品者は落札金額の6%程度をオークション運営会社に支払う例が多い。ネットを使うときは取引価格以外の費用にも注意が必要だ。
量販店の商品券 付与ポイントも同じ
航空会社の株主優待券 遠距離ほど利用価値
新幹線回数券や商品券を割安に販売する金券ショップ。景気低迷が長引くなか、出張の経費を減らしたい会社員や1円でも節約したい主婦の強い味方だ。金券店のお得な活用法を紹介する。
金券店が並ぶ東京・新宿。大阪から就職活動で来た女子大学生は3店ほど回り、一番安い店で帰りに使う東京―新大阪の新幹線回数券を買った。夜行バスの方が安いが「一生に一度の就職活動。夜行バスで眠れず体調を崩したら後悔する」と新幹線を選んだ。
目的別に使い分け
新幹線の指定席回数券は金券店で最も人気がある商品の一つ。4月中旬時点の東京―新大阪の回数券は、都内の金券店で1万2850~1万3000円と正規の指定席料金に比べ1000円程度安い。大阪・梅田地区では1万3100円が中心だ。都内の金券店は競争が激しく、最近は大阪よりも安いことが多い。
使い方は簡単だ。金券店で買った回数券をJRのみどりの窓口に持っていき、日付と出発時間を指定すればいい。JRにはネットを使った様々な新幹線の予約割引があるが、3日前までの予約を求められるなど制約も多い。
家電量販店の商品券も人気が高い。ビックカメラやヨドバシカメラの額面1000円の商品券が、金券店なら990~995円で購入できる。店頭では現金払いと同じ扱いで、付与ポイントも同じだ。クレジットカード会社のギフトカード(商品券)も金券店が扱い、家電量販店で利用できる。JCBギフトカード(額面1000円)やVISAギフトカード(同)は、975~980円が中心だ。
カード会社の商品券が家電量販店のものより安いのは、利用時にたまるポイントの差を反映している。ビックカメラやヨドバシカメラの商品券で買い物をすると購入額の10%程度のポイントが付くことが多い。一方、家電量販店でカード会社の商品券を使うとポイントは8%程度にとどまる。その分、カード会社の商品券は店頭価格が安い。
金券店、ウイングカードシステム(東京・港)の中山定則社長は「同じ店に頻繁に通いポイントをためるには量販店の商品券がおすすめ」と話す。一方、カード会社の商品券はレジャーや外食など幅広く使える利点がある。
金券の人気は景気や世の中の動きを敏感に反映する。東日本大震災の直後はテレビの子ども向け番組が軒並み中止になったため、アニメ映画のチケットが品薄になった。「大人用と子ども用のチケットを合わせて買う人が多かった」(都内の金券店)
映画の入場券は金券店の定番商品で、前売り券を定価で買うのに比べ2~3%安い店が多い。ディズニーアニメの「塔の上のラプンツェル」や東映の「レッツゴー仮面ライダー」の前売り券大人1枚(定価1300円)が1270~1280円で並ぶ。当日券(1800円)と比べるとお得感がさらに強い。
金券店の品ぞろえは季節によっても変わる。企業が提供する株主優待券は5月末から店頭に並ぶことが多い。株主優待券はレストランや食品の割引券、遊園地の入場券など幅広い。毎年すぐ売り切れる人気商品もある。金券店の大黒屋(東京・中央)の担当者は「自分も知らなかった優待券を仕入れることがある」という。金券店を10年ほど前から利用している50代の男性は「珍しいチケットを見つけるのも楽しみのひとつ」と話す。
株主優待券のなかで航空会社は仕組みが独特だ。優待券を空港の発券カウンターに持ち込むと国内線の航空券が正規料金の半額になる。優待券の購入費用と正規料金の半額の合計が利用者の負担だ。
有効期限など注意
優待券の利用価値は正規運賃の高い遠距離路線ほど高い。4月中旬時点で全日本空輸の優待券は都心の金券ショップで7300~7500円。優待券を使えば羽田―那覇、札幌だけでなく、羽田―高松や富山でも割安感がある。航空会社の早期予約の割引制度は、ゴールデンウイークやお盆などの混雑期は対象外であることが多いが、優待券なら混雑期も利用できる。会社更生法の適用を申請した日本航空は昨年6月以降、優待券の発行を中止している。
優待券の価格は市場での需給関係によって大きく変わる。全日空の優待券は3月上旬には9000円強と直近よりも2割以上高かった。優待券を賢く使うには、どの程度割安になるか、きめ細かく計算する必要がある。
注意すべきなのは、全日空の優待券の使い方だ。これまでは優待券の有効期限内に航空券の発券を受ければよかったが、6月から使える2011年度上期発行分の優待券からは有効期限内に搭乗しなければならなくなった。
現在流通している優待券の有効期限は5月末。この時期になると、金券店は在庫が紙切れになるのを避けるため大幅値下げすることが多い。一部の消費者は5月末に格安の優待券を買い、発券から90日間有効で日程変更もできるオープンチケットを購入していた。夏休みに格安で国内旅行を楽しめる裏技だったが、この方法は新しい優待券では使えなくなる。(中村亮)
ネットオークション
一目で価格比較
値下げ交渉機能も
インターネットのオークションでも金券を購入できる。1店ずつ探して歩く必要のある金券店に対し「一目で価格を比較できるのがネットオークションの強み」(楽天オークション、東京・品川)で、若者を中心に利用者は多い。値下げ交渉できる機能もあり、金券店よりも安く購入できることもある。
ヤフーが運営するヤフー・オークションは商品の出品者と買い手が直接、価格交渉できる。買い手が希望価格を示し出品者が受け入れるか判断する仕組みで、3回まで交渉できる。「出品者が適当な価格が分からず高額の値段をつけている場合などは、値下げ交渉機能で成約する確率が上がる」(同社)という。
オークファン(東京・渋谷)ではオークションの落札相場を検索できる。落札時期や商品の種類、ネットオークション運営会社ごとに調べられる。相場よりも安く売ったり、高く買ったりするのを防ぐ参考として利用できそうだ。
落札者は送料を負担し、出品者は落札金額の6%程度をオークション運営会社に支払う例が多い。ネットを使うときは取引価格以外の費用にも注意が必要だ。
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