2011年4月17日日曜日

海外投信、為替ヘッジつけるべき?――「ヘッジなし」型が基本

ファイナンシャルプランナー 深野康彦氏
 海外の株式や債券で運用する投資信託に興味があります。海外投信には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類があると聞きましたが、違いがよく分かりません。どちらを選ぶとよいでしょうか。(埼玉県、39歳、男性)
 海外資産に投資すると、一般に為替相場の動向が運用成績に影響を与えます。現地通貨に対して円高が進むと投資先の資産を円に戻す際に目減りします。逆に円安が進むと円に換える際にその分上乗せされます。為替ヘッジとは通貨の先物取引やオプション取引などを使って、運用成績が為替変動の影響を受けにくくする手法のことです。
 為替ヘッジには当然、コストがかかります。このコストは主に日本と投資先の国の金利差で決まります。日本よりも金利が高い米国の株や債券に投資する場合、米フェデラルファンド(FF)金利の上限の0・25%から日銀の政策金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利の上限の0・1%を差し引いた、0・15%をコストと考えます。
 投資先と日本の金利差が拡大するほど為替ヘッジのコストは高く、縮小すると安くなります。2008年9月の米リーマン・ショック以降、主要国は政策金利を引き下げてきました(グラフ)。もともと低金利だった日本との金利差が縮小した結果、為替ヘッジのコストは低水準で推移してきました。
 ただし、今後も同じ傾向が続くとは限りません。3月に主要7カ国が東日本大震災直後の急速な円高を阻止しようと協調介入を実施したことで、今後は円安基調に変わる可能性が出てきました。7日には欧州中央銀行が過度な物価上昇を防ごうと利上げを決めたほか、米国も近い将来、利上げが想定されています。一方、景気が停滞している日本は金融緩和が続く見込みで、金利差拡大から為替ヘッジコストは今後上昇する可能性があります。
 海外資産への投資は、保有資産の通貨を分散することで為替相場の変動による影響を抑える効果があります。為替ヘッジのあるタイプだと円資産のみに投資しているのと同じで、こうした効果が得られません。将来、円高が見込める場合などを除けば、為替ヘッジのないタイプへの投資が基本と考えてください。

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