新幹線の回数券 競争映し都内が割安
量販店の商品券 付与ポイントも同じ
航空会社の株主優待券 遠距離ほど利用価値
新幹線回数券や商品券を割安に販売する金券ショップ。景気低迷が長引くなか、出張の経費を減らしたい会社員や1円でも節約したい主婦の強い味方だ。金券店のお得な活用法を紹介する。
金券店が並ぶ東京・新宿。大阪から就職活動で来た女子大学生は3店ほど回り、一番安い店で帰りに使う東京―新大阪の新幹線回数券を買った。夜行バスの方が安いが「一生に一度の就職活動。夜行バスで眠れず体調を崩したら後悔する」と新幹線を選んだ。
目的別に使い分け
新幹線の指定席回数券は金券店で最も人気がある商品の一つ。4月中旬時点の東京―新大阪の回数券は、都内の金券店で1万2850~1万3000円と正規の指定席料金に比べ1000円程度安い。大阪・梅田地区では1万3100円が中心だ。都内の金券店は競争が激しく、最近は大阪よりも安いことが多い。
使い方は簡単だ。金券店で買った回数券をJRのみどりの窓口に持っていき、日付と出発時間を指定すればいい。JRにはネットを使った様々な新幹線の予約割引があるが、3日前までの予約を求められるなど制約も多い。
家電量販店の商品券も人気が高い。ビックカメラやヨドバシカメラの額面1000円の商品券が、金券店なら990~995円で購入できる。店頭では現金払いと同じ扱いで、付与ポイントも同じだ。クレジットカード会社のギフトカード(商品券)も金券店が扱い、家電量販店で利用できる。JCBギフトカード(額面1000円)やVISAギフトカード(同)は、975~980円が中心だ。
カード会社の商品券が家電量販店のものより安いのは、利用時にたまるポイントの差を反映している。ビックカメラやヨドバシカメラの商品券で買い物をすると購入額の10%程度のポイントが付くことが多い。一方、家電量販店でカード会社の商品券を使うとポイントは8%程度にとどまる。その分、カード会社の商品券は店頭価格が安い。
金券店、ウイングカードシステム(東京・港)の中山定則社長は「同じ店に頻繁に通いポイントをためるには量販店の商品券がおすすめ」と話す。一方、カード会社の商品券はレジャーや外食など幅広く使える利点がある。
金券の人気は景気や世の中の動きを敏感に反映する。東日本大震災の直後はテレビの子ども向け番組が軒並み中止になったため、アニメ映画のチケットが品薄になった。「大人用と子ども用のチケットを合わせて買う人が多かった」(都内の金券店)
映画の入場券は金券店の定番商品で、前売り券を定価で買うのに比べ2~3%安い店が多い。ディズニーアニメの「塔の上のラプンツェル」や東映の「レッツゴー仮面ライダー」の前売り券大人1枚(定価1300円)が1270~1280円で並ぶ。当日券(1800円)と比べるとお得感がさらに強い。
金券店の品ぞろえは季節によっても変わる。企業が提供する株主優待券は5月末から店頭に並ぶことが多い。株主優待券はレストランや食品の割引券、遊園地の入場券など幅広い。毎年すぐ売り切れる人気商品もある。金券店の大黒屋(東京・中央)の担当者は「自分も知らなかった優待券を仕入れることがある」という。金券店を10年ほど前から利用している50代の男性は「珍しいチケットを見つけるのも楽しみのひとつ」と話す。
株主優待券のなかで航空会社は仕組みが独特だ。優待券を空港の発券カウンターに持ち込むと国内線の航空券が正規料金の半額になる。優待券の購入費用と正規料金の半額の合計が利用者の負担だ。
有効期限など注意
優待券の利用価値は正規運賃の高い遠距離路線ほど高い。4月中旬時点で全日本空輸の優待券は都心の金券ショップで7300~7500円。優待券を使えば羽田―那覇、札幌だけでなく、羽田―高松や富山でも割安感がある。航空会社の早期予約の割引制度は、ゴールデンウイークやお盆などの混雑期は対象外であることが多いが、優待券なら混雑期も利用できる。会社更生法の適用を申請した日本航空は昨年6月以降、優待券の発行を中止している。
優待券の価格は市場での需給関係によって大きく変わる。全日空の優待券は3月上旬には9000円強と直近よりも2割以上高かった。優待券を賢く使うには、どの程度割安になるか、きめ細かく計算する必要がある。
注意すべきなのは、全日空の優待券の使い方だ。これまでは優待券の有効期限内に航空券の発券を受ければよかったが、6月から使える2011年度上期発行分の優待券からは有効期限内に搭乗しなければならなくなった。
現在流通している優待券の有効期限は5月末。この時期になると、金券店は在庫が紙切れになるのを避けるため大幅値下げすることが多い。一部の消費者は5月末に格安の優待券を買い、発券から90日間有効で日程変更もできるオープンチケットを購入していた。夏休みに格安で国内旅行を楽しめる裏技だったが、この方法は新しい優待券では使えなくなる。(中村亮)
ネットオークション
一目で価格比較
値下げ交渉機能も
インターネットのオークションでも金券を購入できる。1店ずつ探して歩く必要のある金券店に対し「一目で価格を比較できるのがネットオークションの強み」(楽天オークション、東京・品川)で、若者を中心に利用者は多い。値下げ交渉できる機能もあり、金券店よりも安く購入できることもある。
ヤフーが運営するヤフー・オークションは商品の出品者と買い手が直接、価格交渉できる。買い手が希望価格を示し出品者が受け入れるか判断する仕組みで、3回まで交渉できる。「出品者が適当な価格が分からず高額の値段をつけている場合などは、値下げ交渉機能で成約する確率が上がる」(同社)という。
オークファン(東京・渋谷)ではオークションの落札相場を検索できる。落札時期や商品の種類、ネットオークション運営会社ごとに調べられる。相場よりも安く売ったり、高く買ったりするのを防ぐ参考として利用できそうだ。
落札者は送料を負担し、出品者は落札金額の6%程度をオークション運営会社に支払う例が多い。ネットを使うときは取引価格以外の費用にも注意が必要だ。
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