2011年4月24日日曜日

震災生活再建、民間が支援――住宅ローンなどの返済は?、資金手当てどうなる?

 東日本大震災から1カ月余りが過ぎ、生活再建への動きが広がってきた。被災者にとって定期的に支払うお金や住宅ローンの返済をどうするか、生活を立て直す資金をどう手当てするかなどは大きな課題だ。金融機関や民間企業が打ち出している支援策をまとめた。
住宅ローンなどの返済は?
期間延長・額を抑制
 被災して住宅ローンの返済が難しくなったら、早めに銀行で返済負担を抑える相談をするのが望ましい。大きく分けて、返済期間を変えずに一時的に毎月返済額を減らす方法と、返済期間を延長して返済終了まで毎月返済額を抑える方法がある。どちらも、毎月返済額のうち元金返済の部分を減らすことで負担を減らすしくみが普通だ。一時的に返済額を減らす方法では、減額期間が終わった後の返済額が以前より増える。
 大手銀行では住宅ローンを借りた支店でなくても、全国どこでも相談を受ける。電話でも相談でき、被災者専用の電話相談窓口を設ける銀行もある。返済期間や返済額を変更する手続きには原則、罹災(りさい)証明書が必要だ。
 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の住宅ローンは、フラット35も機構(公庫)融資も、被害の程度に応じて最長3年間、利息も含めて返済を待ってもらえる可能性がある。ただし、返済を待ってもらう据置期間に利息の負担は増えてしまう。機構(公庫)融資は、最長3年の据置期間の金利を0・5~1・5%引き下げられる場合もある。
 クレジットカードの支払いについては、カード会社に相談すると一時的に支払いを待ってもらえることがある。残高不足でも、主なカード会社は当面、督促しない方針だ。ただ、支払いがないと原則、カードは一時的に使えなくなる。クレジットカードをなくした被災者は、一般に手数料無料で再発行してもらえる。
資金手当てどうなる?
融資の金利優遇 保険支払い迅速
 住まいの確保や家財の購入などに必要なお金をどうするか。銀行や保険会社で、当面の資金手当てを後押しする動きが広がっている。
 大手銀行は、被災者が新しい家を買うときの住宅ローン金利を引き下げている。引き下げ幅は店頭基準金利から1・4~1・5%程度が一般的だ。すでに住宅ローンがある人でも借りられることが多い。ただし、借入可能額はすでに借りているローンと合わせて判断されるようだ。
 家を修繕する場合は、無担保のリフォームローンがある。店頭基準金利より金利は優遇されるが、引き下げ幅や融資額は各行でかなり違う。
 住宅以外のローンを支援する例もある。三菱東京UFJ銀行は、自動車ローンや教育ローンなどの金利を被災者向けに店頭基準金利より0・5%引き下げる。ただ、同行で住宅ローンを借りている人が教育ローンなどを使う場合、被災者向けより住宅ローン利用者向けの優遇サービスのほうが金利の引き下げ幅が1%と大きい。同じような住宅ローン利用者向けの金利優遇はほかの銀行にもあるので、幅広く相談するとよさそうだ。
 加入する生命保険から貸し付けを受けられる場合もある。終身保険など解約返戻金がたまりやすい保険では「契約者貸付」という仕組みを使える。解約返戻金の範囲内で保険会社が決める限度額まで借りられ、元利合計額が解約返戻金を超えない限り返済はいつでもいい。最終的には未返済の元利金の合計が死亡保険金や満期保険金と相殺される。金利は保険契約によって違うが、大手生保の多くは被災者を対象に、6月までに申し込めば2011年内は年利1・5%に引き下げる。
 生活再建資金として保険金も早く受け取れるよう手続きが見直されている。地震保険や生命保険は、契約先の保険会社が分からなければ、日本損害保険協会や生命保険協会の相談窓口で調べてもらえる。保険証券がなくても本人確認ができれば保険金を受け取れる。死亡保険金の受け取りでは、通常は必要な戸籍謄本などの書類がそろわなくても手続きができる。
 銀行預金については、一般的に本人が亡くなった場合は相続手続きが終わらないと引き出せないが、弾力的な対応が広がっている。全国銀行協会によると、相続手続きがまだでも、預金者との関係などが確認できれば、当面の生活費などを引き出せるようにしている銀行もある。
 みずほ銀行は、土曜日を中心に預金や住宅ローンなど幅広く被災者の相談を受ける休日相談窓口を、被災地を含む9カ所の店舗に開設した。
 銀行や保険会社などの電話相談窓口は、金融庁がインターネットで紹介している。(大賀智子、長岡良幸)
保険や通信費の支払いは?
遅れに柔軟に対応
 毎月支払う生命保険の保険料はどうなるか。通常、支払いが2カ月滞ると、それまでに蓄積した解約返戻金の範囲で保険料分が自動的に貸し付けられ、解約返戻金がなければ契約が失効する。ただ生命保険協会によると、災害時は特別な対応になる。災害救助法の適用地域の被災者は原則、保険料を支払えなくなっても最大6カ月間は猶予され、契約を継続できる。
 銀行口座からの引き落としで払っている場合、残高があれば支払いが続くが、生保によっては引き落としを一時止める相談に応じるという。
 携帯電話各社も3~4月に請求する料金について、金融機関などの窓口での支払期限を延期した。5月以降も「状況を見ながら(延期を)検討する」(KDDIの田中孝司社長)と柔軟に対応する構えだ。銀行口座からの引き落としは期日通りだが、残高が足りない場合には支払期限を延長する。
 震災直後は通信各社の設備が被害を受け、広い範囲で通話や通信ができなくなった。設備の問題で電話が使えなかった地域の契約者に対しては、基本料金などを期間に応じて日割りで計算する。
 大学や大手予備校では、本人や家族が被災した学生の入学金や授業料を減免する制度を設けている場合が多い。震災の影響で世帯収入が大幅に減った場合も対象となる。入学金などを納入済みでも、減免制度の対象となれば返金される場合もある。来年度以降の授業料減免に前向きな大学も多い。予備校では入学金や授業料のほか、寮費も減免の対象にしている。

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