2013年1月31日木曜日

税務署混み合う前に…――還付申告早めがお得、振り込みや手続き円滑



 1年間の所得税の精算をする「確定申告」は例年2月16日からだが、還付を目的とする申告(還付申告)は1月から可能だ。家計が厳しい時期だけに多めに天引き(源泉徴収)されている税金があれば早めに取り戻そう。還付を申告できるのはどんな場合か、ポイントをまとめた。
 「震災被害でお金がかかったので、早めに還付申告を済ませたい」。東京都に住む税理士の岡田俊明さんは今月中に税務署で手続きをする予定だ。2011年3月の東日本大震災による液状化で、自宅マンションの共用施設(駐車・駐輪場など)が大きな被害を受けた。昨年9月、ようやく原状回復工事が終わったが、1世帯当たり約70万円の工事費用を負担したという。
助言受けやすく
 この費用は12年の課税所得から差し引くことができ、税金が還付される可能性がある。災害で損害を受けた場合、課税所得から損害額や被害の原状回復費用などを差し引く「雑損控除」(図A参照)が使えるからだ。岡田さんは「自分と似たケースの人は多いはず。確定申告前の今なら税務署は空いているので早めに還付申告してみては」とアドバイスする。では、どんな場合に還付申告をできるのだろう。
 所得税は1年間の所得額をもとに課税される。会社員の場合、年末調整で税額が確定することが多いが、年末調整では多額の医療費を支払った人の医療費控除や雑損控除などは受けられない。そこで自分で前年の所得額と税額を計算し、税務署に確定申告をする必要がある。
 還付申告はその確定申告のいわば簡易版。自分で計算し直した申告税額が既に天引きされた税額より少ない人、つまり税金が還付される人が利用できる。
 例えば給与所得の他にアパートの賃貸収入がある会社員は、その分の税金を支払う必要があるが、医療費控除などを差し引いて全体として税金が還付される場合は還付申告ができる。「全体として税金を追加で支払う必要がある場合は通常の確定申告が必要」(税理士の野水鶴雄氏)だ。
 還付申告のメリットは確定申告が例年2月16日からなのに対して1月4日から手続きできる点だ。還付金も、1月早々に申告をすれば早ければ2月中に振り込まれる。その分家計は楽になるだろう。
 税務署で還付申告のやり方を教えてもらいやすいのもメリット。確定申告の時期は例年、申告義務がある自営業者らで税務署は混み合うが、1月なら比較的空いている。電子申告で還付申告することも可能だ。
通院の交通費も
 還付申告できる可能性が大きい、主なケースと注意点は以下の通りだ。
 ▼災害で損害を受けた人 地震、津波、台風などの災害で本人や生計が一緒で所得金額が38万円以下の配偶者の所有する住宅や家財が損害を受けた場合は、雑損控除を活用すれば還付申告できる可能性が大きい。課税所得額から差引損失額を引いた金額がゼロかマイナスになれば、天引きされた税金が全額還付される。
 ▼医療費を支払った人 医療費控除は1年間に実際に支払った医療費が10万円を超えた場合、一部を課税所得から控除できる所得控除の一つ(図B参照)。控除対象は病気やケガの治療などに直接かかった費用が主だ。生計が一緒の配偶者と子供の分や通院にかかった交通費も控除対象になるので忘れないように。
 ▼株式投資で損をした人 上場株式や公募株式投資信託の売却で損失が出た場合、申告すれば税金が還付されることがある。ある銘柄の売却益や配当金、分配金と他の銘柄の売却損を相殺(損益通算)できるからだ。相殺するには配当金、分配金の課税方法について「申告分離課税」(給与など他の所得と切り離して税金の計算をする方法)を選択したうえで申告する。
 それでもなお、損失が残ればその残った損失を毎年申告し、3年間(12年に生じた損失は13年~15年)繰り越せる。繰り越しの手続きは厳密には確定申告が必要だが、繰り越しで還付になる場合は「還付申告と同時でも税務署は受け付ける」(野水氏)だろう。
 ▼年末調整を忘れた場合 年末調整の手続きをうっかりし忘れ、全体として還付になる場合も還付申告が可能だ。年末調整をしていても、大学生の子の国民年金保険料についての社会保険料控除を忘れている人は多いかもしれない。年末に子が生まれたり、婚姻届を提出したりした人は還付申告で配偶者控除や扶養控除の適用を申告しよう。

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