2013年1月31日木曜日

100万円貯めよう(上)脱「貯金ゼロ」始めの一歩


住居費、月収の3割以内 スマホは本当に必要? 失業に備え生活費「仕分け」
 収入の伸び悩みなどで、貯金を持たない人が増えている。どんな人も失業や病気で収入が途絶える可能性はあるだけに、備えはしておきたいところだ。そこでまずは100万円貯(た)めることから始めよう。貯金癖を付ければ目先の備えだけでなく、将来の生活設計もたてやすい。貯金術と家計見直しのポイントについて、2回にわたり考える。
 「貯金ゼロで大丈夫かな」。東京都内に住む会社員のAさん(男性、29)は最近、少し焦り始めている。年収は400万円弱で、月給はここ数年横ばい。ひとり暮らしで毎日外食するため、使い切っている。月々の赤字はボーナスで補填する生活だ。先日、大学の友人の結婚式に出席、そろそろ自分もと思ったものの貯金はゼロ。「生活を見直さないと結婚できないかも」
20代単身の4割
 2000年以降、金融資産ゼロの世帯が急増している。金融広報中央委員会の調査では2012年で26%で、1987年に3%台に低下していたことを考えると大幅に増えている。特に目立つのは20代(単身世帯)で、貯金ゼロは39%に上る。
 雇用保険に入っていれば職を失っても失業給付を受けられるが、自己都合で退職した場合などは時間がかかることも。それだけに「4カ月から半年は無収入で暮らせる蓄えが必要」とファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんは指摘する。
 貯蓄が100万円あれば、一人暮らしで半年程度、子どものいない夫婦の場合でも3~4カ月は暮らせそう。総務省の調査によると、失業した人の4割強が6カ月以内に再就職しているが、その期間が長期化する傾向にあるのも確か。だから、まずは100万円貯めようというわけだ。
 ただし、ハードルは低くない。1年で100万円貯めるには毎月8万円程度の貯蓄が必要。無理なくできる人はそう多くないだろう。そこで節約アドバイザーの丸山晴美さんは、独身の人は月収の1~3割、夫婦共働き世帯はそれぞれの月収の3割、妻が専業主婦の世帯は1割を目安に貯蓄しようと助言する。
 たとえば独身で月収が25万円の場合、2割に当たる月5万円程度は貯金に回すという具合。100万円到達には20カ月かかる。2年以内なら期間目標として現実的だろう。
 もちろん年2回のボーナスを生かせば、もっと早く貯められるが、金額が変動しやすいため別物と考えた方がよい。「頼ることはせず、ボーナスが支給されたら7割程度を貯金するよう心がけては」と丸山さんは提案する。
 問題は共働き世帯で月収の3割、専業主婦世帯で月収の1割という貯金原資をどう確保するか。FPなど専門家が異口同音に指摘するのは、やはり「家計簿を付け地道に無駄遣いを見つけること」だ。
基本はレシート
 といっても、毎日1円単位で細かく家計簿を付けるということではない。S&Sインベストメンツの岡村聡代表の提案する方法は簡単だ。買い物をするときは必ずレシートをもらい、1週間に一度、10以内に区分した項目別に集計。項目として収入、家賃など固定費、食費や通信・光熱費などの変動費に大まかに分類する。それだけで自分がどんなことにお金を多く使っているかが分かるという。
 FPの八ツ井慶子さんが提案する方法はさらに簡単。「食費とその他という分け方で集計すればよい。そして、その他の上位3項目をつかむ。この3項目を減らせば貯金原資が見えてくる」と話す。
 支出を項目別でみていく場合、最も割合が大きいのは家賃など住居費だろう。「住居費は月収の3割以内に抑えるのが目安」というのが専門家の一致した意見。もし、3割を上回るなら見直しを考えよう。
 変動費抑制の基本は細かな節約。外食を控え、自炊する回数を増やす。電気代は消費電力の多いエアコンや冷蔵庫、テレビ、照明が無駄に使われていないか確かめる。
 見落としがちなのは通信費だ。最近はスマートフォン(スマホ)の利用で出費が増えた人も多いだろう。だが、FPの花輪さんは「携帯電話の通信費は通話とネット料金を合わせて、月収の5%に抑えたい」と助言する。本当にスマホが必要か、使い方を見直すことも大切だ。こうして生活自体を見直すことが貯金100万円の一歩でもある。
 家計としては「固定費を30%、変動費が40%。残り30%を貯金に回せれば理想的」と岡村代表。ただ、20代は収入が少ないので、ひとり暮らしならまず収入の10%の貯金を心がける。それから徐々に割合を高めていけばよい。
 貯金を続ける最大のコツは「将来の目標をはっきりさせること」(FPの八ツ井さん)。目標が決まればお金の使い方は自然と変わる。その意味でも100万円はよい目標だろう。もちろん苦しい貯金にならない工夫も大切。30万円、50万円など小さな目標を達成したら、自分にご褒美を与える。そんな心の余裕も持ちながら、貯金を楽しんでみてはいかがだろう。

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