2013年1月31日木曜日

子どものお金見守り術(上)「お年玉」どう渡せば



貯蓄・使い方の大切さ諭す
 もうすぐお正月。子どもの楽しみは親や祖父母からもらうお年玉だろう。だが、親にとっては悩みの種。誰からいくらもらったかを把握しなければならないし、大金を好き勝手に使わせるわけにもいかない。子どもにお金をどう渡し、使わせればよいか。2回にわたって考えてみよう。
 「えーっ、僕のお年玉なのに、なんで使っちゃだめなの」。主婦A子さんは毎年、小学生の息子の恨み節に苦り切っている。
 息子は毎年、総額2万~3万円のお年玉をもらう。そのまま渡せばゲームなどに使ってしまうので、預かることにしているが、息子の反発は年々激しくなるばかり。「来年はどうすればいいのか」と思い悩む。
マナーを教える
 お年玉の管理を子どもに任せるか、それとも親が預かるか。どちらにしても、親の一方的な判断では「子どものため」という思いは伝わらない。「大切なのは、まず子どもにお金をもらうことの意味を親が理解させること」とファイナンシャルプランナー(FP)の豊田真弓さんは話す。
 具体的には、お年玉をもらったら「親が個別にあいさつとお礼をしなければならない」ということを子どもに伝え、誰からいくらもらったのか内訳を報告させる。「お年玉をもらうことは当たり前ではない。特別なイベントということを年齢にかかわらず教える」。それが大切な第一歩だ。
 子どものお年玉は、少しずつ増えている。川崎信用金庫が毎年、地元の小学生を対象に実施する聞き取り調査によると、2012年正月にもらったお年玉の総額は2万6800円で、1983年(2万2千円)に比べ4000円以上増えた。
 小学生の場合、普段の買い物はせいぜい菓子やトレーディングカード、飲み物など。一度に使う金額は多くの場合、100円単位だ。それだけにお年玉は子どもにとって大金で、感覚が狂いやすい。どう渡すかを考えることも欠かせない。
 「子どもにお年玉を渡したままにするのは避けた方がよい」とアドバイスするのはFPの仲西康至さん。「将来のためにも一部を銀行口座などに預金させることが大切だ」という。
 銀行や郵便局などの貯金の仕組みは、小学校3、4年生になればわかる。預ける金額もお年玉の半額、もしくは3分の1程度でよい。正月明けに親子で一緒に金融機関に行き、子ども名義の口座をひらけば、無駄遣いの防止に役立てられる。何かあった時にこのお金を使うこともできると諭せば、「貯蓄の大切さも子どもが実感できるのではないか」(仲西さん)。
全て親管理は禁物
 注意したいのはお年玉の主役はあくまで子どもということ。子どもの金銭教育を手がけるNPO法人金融知力普及協会の鈴木達郎・金融知力アドバイザーは「親が全額管理することは絶対にやってはいけない」と断言する。「お金のやりくりは学校では身につかない。家庭でしか覚えられないのに、その機会を奪うことになる」という。
 もちろん、適切な使い方を子どもに覚えてもらうための仕掛けは必要だ。鈴木さんが簡単で効果的なお金の渡し方として提案するのは、お年玉を渡す際に小遣い帳や小遣い袋を一緒にプレゼントする方法だ。
 例えばお年玉が総額3万円だった場合、3分の1の1万円は子どもの口座に貯金。残りの2万円は、1回の使用上限額や小遣い帳に何を買う予定かなどを細かく書くことを条件に、子どもに任せる。「お年玉の入金額を記帳した通帳も一緒に子どもに渡して管理を任せれば、お金のやりくりを学ぶ効果はさらに高まる」と仲西さんは話す。
 大切なのは、お金の使い方をお年玉をもらった後も子に意識させ続けること。その意味でお年玉を機に、定期的な小遣いを渡し始めるのは一つの方法だろう。「欲しい時に必要額を渡す」「欲しい物を買ってあげる」ようなやり方では、お金をやりくりする力は身につかない。「少額でも定期的な小遣いこそ一番優れた金銭教育の手段」(鈴木さん)になる。
 お金の使い方を身に付けるということは、日々の暮らしや働く意味を理解することでもある。FPの豊田さんは、子どもにお金の使い方が身についたと判断した時点で「食費や家賃など家計についての家族会議を開き、子どもも参加させてみては」と話す。
 来年のお年玉は、我が家の金銭教育事始め。じっくり子どもにお金の使い方を学ばせるきっかけにしてみてはいかがだろう。

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