2013年1月31日木曜日

クレジットカード賢く活用(上)一括払い前提に

利息高いリボ、支払いも長く
 もうすぐボーナスシーズン。欲しかったものを支給前にクレジットカードで買おうと考えている人は少なくないだろう。しかし、カード払いは借金だけに、使い方しだいで思わぬ負担がのしかかることがある。カードとどのように付き合っていけばいいか。賢い活用法を2回にわたり紹介する。
 「分割払いなら何回にすればいいか。リボルビング払いもお得だと宣伝されているし……。どれを選べばいいのか」。東京都に住む会社員のAさん(38)が、小学校に入学する息子のランドセルと学習机を買いに行ったとき、ひとしきり悩んだ。ランドセルはカードの一括払いで購入したが、学習机も一括払いにすると預金の残高が少々心もとない。そこで分割払いを選ぶことにしたものの、様々なタイプがあり、それぞれ利払いも異なるため、結局選べず買い物は先送りした。さて、どの払い方を選べばよかったのか。
 節約アドバイザーの丸山晴美さんは「原則、銀行口座に代金分がたまってから一括払いで買うべきだ」と強調する。理由は2つある。まず、カードでの支払いは一括払いと2回の分割払い、ボーナス払いは利息(手数料)がかからない(表A)。そして2回の分割払いは支出が2カ月にまたがり家計管理が難しいからだ。ボーナス払いは支給額が確定しているなら問題ないが、仮に不足したときには別途お金を捻出しなければならない。カード払いはあくまで借金だと意識して利用すべきだ、という考えだ。
多重債務招く恐れ
 日本クレジット協会によると、国内のクレジットカードの発行枚数は2011年3月末で3億2213万枚。成人1人が平均3・1枚のカードを保有している計算で、買い物に欠かせない存在になっている。ただ、その一方でカードの使い過ぎなどで家計に支障が出たり、中には過大な借金を抱えたりする人もいる。それだけに利用する際は、常に意識しておくべきことがある。表Bの4カ条を参考にしてほしい。
 4カ条でも特に注意したいのが、利息のかかる3回以上の分割払い。中でもリボルビング払い(リボ払い)だ。
 リボ払いは買い物の額にかかわらず、毎月の支払額をあらかじめ決めておき、それを超えた分は翌月以降に繰り越される仕組み。利率はカード大手でも実質年率15%程度が多い。事実上、分割回数が買い物の仕方次第で延々と延びていく支払い方法で、その分利払いが負担になることがある。
 金銭教育を手掛ける消費者教育支援センター主任研究員の柿野成美さんは講習でこんなクイズを出す。
 「リボ払いで12万円のパソコンを購入し半年後に5万円のスーツ、その3カ月後に6万円の時計を購入しました。毎月1万円とその手数料(実質年率15%)を支払ったときの返済期間と返済総額は?」
 答えは返済期間が23カ月。返済総額は約25万5千円だ。現金やカードの一括払いなら23万円で済むが、利息2万5千円が多くかかることになる(グラフC)。
 このケースは一定の元金として毎月1万円。それに利息を加えて返済する方法で計算している。このほかに「元金+手数料」を一定額にする方式もある。その場合は元金が減りにくく、返済期間がさらに長くなるため、利息が一層かさむので注意が必要だ。
 カード会社はリボ払いのポイント付与率を高めるなど特典を付けて利用を促している。だが、丸山さんは「利息分以上に得をするかどうか、よく考えるべきだ」と指摘。柿野さんも「多重債務に陥るきっかけがリボ払いだった、というケースも多い」と警鐘を鳴らす。
上限額決め利用を
 ATMなどでクレジットカードを使って借金ができる、キャッシングも注意した方がよいサービスの一つ。まるで銀行のキャッシュカードで貯金をおろすのと同じように、お金を手にできるので、一見便利そうだが、利払いは重い。
 「カードで現金を引き出すのは禁止。買い物で使いなさい」。千葉県の主婦Bさん(55)は、カード利用明細のキャッシングの形跡を見て、大学生の息子にあわてて電話を掛けたという。キャッシングで借りたお金の利率は、消費者金融と比べても高い水準だったからだ。当然、重い金利負担は多重債務などのトラブルに陥る一歩でもある。「極力利用しない方がいい」と柿野さんは指摘する。
 そもそも毎月のカード利用額の上限を、自分で決めておくことも大切だ。
 カード会社は買い物とキャッシングそれぞれについて、利用者ごとに上限額を決めている。だが、この上限額は「決して使っていい金額の範囲ではない」と丸山さんは指摘する。例えば買い物などの上限額は新社会人でも月30万円前後。大卒の平均的な初任給の1・5倍にもなる。キャッシングは貸金業法の「総量規制」の対象で、年収3分の1を超える借り入れは原則できないが、そもそもそれを上限にはできないだろう。
 従って、自分の収入に応じて、月5万円などと金額を決めることが重要になる。どうしても使い過ぎてしまう場合は、カード会社に連絡してショッピング枠を低めに設定した方がよい。キャッシング枠をゼロにすることもできる。
 とにかくクレジットカードは「打ち出の小づち」ではなく、簡単に借金ができる道具と考えることが大切だ。柿野さんは「カードは使い方次第で生活を豊かにも苦しくもする」と強調する。特徴をしっかりと理解し、計画的な利用を心がけよう。

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