2013年1月31日木曜日

100万円貯めよう(下)口座分けて貯金先取り――財形・定期積立



給料から天引きで 取り崩さぬ自己ルール肝心
 出費を見直し、貯金に回せるお金の余裕ができたら、上手に貯(た)める方法を考えよう。おすすめは「貯金先取り方式」。毎月の給料から天引きで、勤め先の財形貯蓄や銀行の積立預金に一定額を回す方法だ。そうすれば手元に残った金額で暮らすため、自然と家計の改善につながる。100万円の目標も近くに見えてくるはずだ。
 「とりあえず年60万円を貯めることを目指そう」。神奈川県に住む自営業のAさん(男性、31)は貯金ゼロだった昨年1月、毎月の手取り収入25万円のうち、5万円を給与口座に残して、貯めていくと決めた。
口座2つ以上用意
 最初は口座の残高が5万、10万、15万円と順調に増えていったという。ところが、ある月に飲み会やスーツの購入などが重なり、貯金に回すお金に手を出してしまった。その後は貯金に手を出すのが癖になり、1年で貯まったのは12万円。60万円にはほど遠い結果となった。
 Aさんのようにうまく貯金ができない人には「給料を受け取る口座でお金を貯めようとする人が多い」とファイナンシャルプランナー(FP)の中村芳子さんは指摘する。普段からよく使う口座にお金が残ると、ついつい手が出てしまうものだからだ。
 そのため「着実に貯金をするには、口座を2つ以上用意するとよい」と中村さんは助言する。まず貯金用と出費用の口座を用意。収入を得た時は最初に貯金用口座へ決めた額を振り込み、絶対に引き落とさないルールを守っていくことが大切という。
 中でも成否を左右するのは、貯金用口座に給料から自動的に一定額が振り込まれる、自動積み立てにすること。「手間をかけず、気付けば貯まっている仕組みを作る」(中村さん)のが理想だ。
 会社員ならば、貯金用口座としてまず利用を検討したいのは財形貯蓄制度。毎月の給料やボーナスから天引きされるため、家計はそれを除いて設計すればよいからだ。
 貯めるメリットもある。利回りは銀行の定期預金などとほぼ変わりないが、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は利息が非課税になるので、その分お金が増えやすい。勤め先で手続きが必要なため、お金をすぐに取り崩しにくいこともプラスに働きそうだ。財形制度は従業員が1000人以上の企業の8割超が導入している(2009年時点)。
 給与口座から毎月一定額を定期預金に積み立てるのも一案。FPの紀平正幸さんは「給料日かその翌日に積立日を指定し貯金を先取りしよう」とアドバイスする。三井住友銀行やソニー銀行などの積立預金は毎月1000円から利用することができる。
 また、給料を複数の銀行口座に振り分けられる場合は、預金利率の良いネット銀行の口座に一定の金額を振り込む方法もある。より有利な利率で、自動積み立て同様に貯金ができるのは魅力だろう。
生活水準を一定に
 出費用口座もできれば複数用意するとよい。給料が入るメーンの口座に加え生活費専用の口座を作るという具合だ。例えばひとり暮らしで毎月の手取り収入が20万円なら、収入の4割を食費や通信・光熱費などとしてメーンの口座から生活費用口座に移す。その残高を見れば月の残りの生活費が分かる。また、普段持ち歩くキャッシュカードも生活費用口座に限れば、余計な出費はさらに防げるはずだ。
 その際に「生活費用口座のお金は毎月使い切り、繰り越さないことも重要」と、節約アドバイザーの丸山晴美さんは説く。貯金を続けるには生活水準を一定に保つことが重要。節約は大事だが、やりすぎて残ったお金を翌月に使えば「出費のリバウンド」を招く可能性もあるからだ。
 それだけに貯金を始めたら、数カ月は設定した貯金額で無理なく暮らせるかを確認することも大切だ。本当に厳しいと判断したら毎月の貯金額を減らす。その方が長続きするという。
 もちろん、貯金を楽しむことも忘れずに。時には旅行や買い物でお金を使う心の余裕は必要だ。それに適したサービスもある。
 HISでは毎月3000円から、JTBは5000円から旅行積立コースを用意している。貯めたお金はそのまま旅行代金に充てられる。田中貴金属工業や住友金属鉱山の純金積立も一定量積み立てるとジュエリーと等価交換できるタイプがある。
 貯金は失業などに対する生活の備えというだけでなく、楽しみや自分の目標を実現するために必要なこと。収入の伸び悩みなど厳しい現状はあるが、100万円貯められれば、必ず自分に自信がつくはずだ。生活や仕事に夢を描くためにも、貯金力を身に付けよう。

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