2011年5月8日日曜日

国の住宅購入支援策、年内終了・縮小多く注意――フラット35S、エコポイント

フラット35S 予算枠の確認を
エコポイント 年内着工が条件
ローン減税 年内入居、10年で400万円控除
 人生最大の買い物である住宅。家具や家電の購入などを含めると景気へのプラス効果が大きいことから、国は様々な購入支援策を打ち出している。ただ、ローン金利の引き下げや住宅ローン減税といった優遇は、現状では2011年末で期限が切れたり、縮小したりするものが多い。支援策の中身や利用する際の注意点などをまとめた。
「今年は買い時」
 「不動産市況は一時の高値に比べると落ち着いている。もろもろの支援策を考慮すれば、今年は買い時といえる」。こう話すのは、ファイナンシャルプランナー(FP)で「住まいと保険と資産管理」(東京・千代田)営業本部長の飯田敏さんだ。
 表Aに11年で終わる予定の主な住宅購入支援策をまとめた。利用条件は「入居」「着工」などそれぞれ異なるので、ポイントを確認しよう。
 【フラット35S】 35年固定金利の住宅ローン「フラット35」の当初10年間の金利を、借入金利から年1%引き下げるのが「フラット35S」。耐震性や省エネ性、バリアフリー性などいずれかの性能を満たすと適用される。最近では、大手デベロッパーの分譲マンションやハウスメーカーの戸建て住宅の多くが条件を満たしている。
 借入額4000万円、金利2・9%で簡単に試算したところ、「フラット35S」の方が、通常の「フラット35」より425万円も利息負担が少なくて済む(表B)。FPの豊田真弓さんは「固定金利志向の人にとっては特に魅力が大きい」と話す。
 11年末までに申し込みを済ませれば12年以降に完成する物件でも利用できるが、国の予算がなくなれば前倒しで終了する。また、使えるのは購入時のみで、借り換えには使えない。金利水準や手数料は申し込む金融機関によって異なるので、条件を比較する作業も欠かせない。
 さらに借り入れから11年目以降、20年目まで年0・3%金利を引き下げるタイプもあるが、「求められる住宅性能が10年タイプよりも高くなる分、建築コストがかさみ、設計の自由度も狭まる」(飯田さん)という。
 【住宅エコポイント】 断熱サッシや断熱壁、省エネ機器の採用など、一定の省エネ基準を満たした住宅を対象にポイントを付与する。リフォーム工事も対象。ポイント獲得は11年中の着工が条件となる。
 付与ポイントは、新築住宅で1戸あたり30万ポイント、太陽熱利用システムを設置した場合は2万ポイント上乗せして32万ポイントとなる。ポイントは1ポイント1円で商品券などと交換できるほか、追加工事の費用にそのまま充当することもできる。
 【贈与税の非課税特例】 住宅取得のための資金を直系の父母や祖父母から贈与された場合、贈与税が1千万円まで無税になる。基礎控除枠の110万円と合わせると1110万円まで非課税だ。特例の適用を受けるには、11年中に贈与を受け、12年3月15日までに住宅を取得、同年中に入居するのが条件。税務署への申告も必要になる。
 年内に贈与を受けても、完成時期が間に合わなければ高率の贈与税がかかってくることになる。ただ、税理士の村岡清樹さんは「特例が使えなくなっても、贈与額に応じた持ち分を親名義で登記することで、課税措置は回避できる」と指摘する。そのうえで、「兄弟がいる場合は後々の相続でもめないよう、遺言を残してもらうなど対策が必要になる」と付け加える。
 【住宅ローン減税】 原則、毎年末のローン残高の1%に当たる額を所得税から控除できる。一般住宅の場合、11年中の入居なら10年間で最大400万円の控除が受けられるが、12年入居では300万円に減る(表C)。一般住宅よりも耐震性や劣化対策、維持管理のしやすさなどで厳しい基準を満たした「長期優良住宅」なら、11年中の最大控除額は600万円だが、12年には400万円に下がる。
 とはいえ、「減税の恩恵をフルに受けられるのは、毎年末、最大控除額に見合ったローン残高がある人だけ」(村岡さん)。減税分は本来支払うべき税額から差し引く仕組み(税額控除)で、もともとの納税額が少なければ、控除はその範囲内にとどまる。
無理ない予算で
 フラット35と住宅エコポイントの申請には建物が基準に適合することを示す第三者機関の証明書が必要で、発行には手数料がかかる。各支援策の利用には建物の床面積や築年数などの要件があるので、築25年以上の中古マンションを買う人などは、事前によく確認しよう。
 豊田さんは「子どもがいる家庭は教育費を並行して積み立てられるかなど、現在の生活水準、毎月の貯金額などから逆算して無理のない購入予算を決めるべきだ。借りられる額と無理なく返せる額は違う」と強調する。飯田さんも、将来の住み替えを前提にマンション購入を考えている場合は、「立地条件によってマンションは資産価値の下落が戸建てよりも激しくなりやすいので注意が必要」とアドバイスしている。

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