2011年5月17日火曜日

電子マネーの基礎知識(上)支払時の手間解消、買い物傾向考え選択を

手軽ゆえの使いすぎ注意
 専用端末にかざすだけで支払いができる電子マネー。現金やクレジットカードより手軽なうえ、利用額に応じてポイントがたまるなどの利点があり、日常的な決済手段として定着している。多くの種類のなかから自分に適したサービスをどう見つけるか。電子マネーを使いこなすのに役立つ基礎知識やお得な利用法を、2回にわたり紹介しよう。初回は基本的な仕組みについて解説する。
 「興味があるので使ってみたいが、難しそう」「仕組みがよく分からないため、不安で利用できない」。電子マネーと聞いて、こんな感想を持つ人も多いだろう。仕組みを理解し正しい知識を身に付けることが、不安を取り除く第一歩だ。
 一般的に電子マネーとは、主に少額の買い物をする際、電子化したお金の情報などをやりとりすることで支払う手段をいう。具体的にはICカードや、ICチップを搭載した携帯電話に専用ソフトを設定した「おサイフケータイ」を、読み取り機にかざして利用する支払い方法を指す。
 電子マネーの利点を理解するには、現金やクレジットカードと比較するとわかりやすい。表Aにその違いをまとめた。
 他の決済手段と比べて最も優位なのは、支払時の手間を大幅に減らせる点だ。現金で支払う場合、お札や小銭を手渡し、お釣りを受け取る必要がある。クレジットカードは原則、署名や暗証番号の入力といった本人確認の手続きが必要だ。一方、電子マネーは専用の端末にかざすだけですむ。
ポイントの利点
 利用金額に応じてポイントが付くのも利点だ。ポイントは電子マネーや他社のポイントなどに交換できる。うまく使えば家計の節約にも役立つ。
 電子マネー事業は鉄道会社や総合スーパー、クレジットカード会社などを中心に、多くの企業や団体が取り扱い、種類は豊富。利用できる店や場面も電子マネーごとに異なる。理解しやすくするために、電子マネーの種類を整理してみた。
 実際の店舗などで利用されている電子マネーは2種類に分けられる。利用前にまとまった金額をチャージ(入金)する「前払い式」と、一定期間の利用額を後日まとめて特定のクレジットカードで決済する「後払い式」だ。このほか、主にインターネットのサイトでの支払いに使われる「サーバー型」もあるが、一般的に認知されているのは前払い式と後払い式だ。
 全国で利用できる主な電子マネーの概要を表Bにまとめた。前払い式は運営会社ごとに「流通系」や「交通系」「独立系」に分類できる。当初は交通系なら鉄道の乗車時に、流通系なら総合スーパーなどにと、用途は限られていた。
 現在はコンビニエンスストアや家電量販店、ファストフード店などを中心に、グループ以外の企業でも幅広く利用できる。実際に利用可能な店舗は電子マネーごとに決まっている。運営会社のサイトで確認したり、店舗にあるマークで見分けたりするとよいだろう。
 前払い式と後払い式にはそれぞれ、利用上の制限がある。前払い式は1回の支払いで利用できる金額に上限がある。少額の買い物での利用を想定し、あらかじめチャージしておける限度額が決まっているからだ。
 後払い式はクレジットカードの利用を前提としているものがほとんどで、大半は18歳未満や高校生は利用できない。クレジットカードの与信枠の制約もあり、一定期間に利用できる総額も限られる。一定額を超えると署名や暗証番号の入力などが必要な種類もある。
支出の把握重要
 日常的に利用する電子マネーを選ぶ際は、こうした特徴に加え、日ごろの自分の行動を踏まえる必要がある。ファイナンシャルプランナーの中村宏さんは「通勤経路や頻繁に買い物をする店などを考慮して、利用しやすい種類を選ぶとよい」と助言する。
 電子マネーは手軽に使える半面、つい使いすぎてしまう短所もある。前払い式には残高が少なくなると、自動的に特定のクレジットカードなどからチャージする「オートチャージ」という機能を利用できるものがある。この機能は便利だが、使った金額が分かりにくくなりがちだ。
 「電子マネーをいくら使ったか記録するなど、支出の把握が家計管理の面で重要」(中村さん)になる。複数の電子マネーを併用すると、その分、家計管理が難しくなりやすいことにも注意したい。

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