2011年5月20日金曜日

夏期講習の販促激化――市進、講師が近隣学校訪問、リソー教育、プレ講座で囲い込み。

震災で落ち込み、挽回狙う
 学習塾大手による夏期講習の生徒獲得に向けた販促活動が例年以上に激化している。市進ホールディングス(HD)は5月下旬から各教室の講師が近隣の学校へ営業活動を始める。リソー教育は講習内容の一部を前倒しし、早期に生徒を囲い込む。東日本大震災の影響もあって各社は新年度の入塾者数が落ち込んでおり、巻き返しのきっかけとしたい考えだ。
 「市進学院」などを首都圏の約140拠点で展開する市進HDは各拠点に在籍する講師が近隣の小・中学校を訪問する営業活動を始める。従来は近隣世帯への折り込みチラシの配布などにとどまっていたが、「同じ場所に配るので限定的な効果しか得られない」(同社)。チラシなどの販促物を学校に直接持参する方が、生徒の獲得増が見込めると判断した。
 リソー教育は、個別指導塾「トーマス」で5月上旬から小中高生を対象に「プレ夏期講習会」を始めた。7月下旬から始まる夏期講習で扱う学習内容の一部を授業に盛り込む。プレ夏季講習会に参加後に夏季講習を受講すれば応用力が身につくことを訴え、早期の生徒獲得につなげる。
 早稲田アカデミーも夏季講習の募集チラシの配布を今年は早めることを検討している。
 一方、通常の生徒募集活動を強化する動きもある。全国に「栄光ゼミナール」など約380教室を展開する栄光は5月以降も新聞の折り込みチラシを配る頻度を落とさず、販促を継続する。
 例年は新年度に入り生徒の入塾が落ち着く段階で配布は抑えていた。震災後に休止していたテレビCMも4月に再開した。
 小学校では今年度から学習内容が大幅に増える「新学習指導要領」が全面実施された。このため学習塾各社は、学習時間を補うため、特に小学校低学年の入塾が増えるとみて、「7月時点の在籍生徒数は前年比2~5%プラスを予想していた」(栄光)など大きな追い風とみていた。
 しかし震災後の安全性への懸念や先行きへの不透明感などから、「受験生以外は入塾を夏以降に見送る人が目立つ」(学習塾大手)という。栄光では3月の入塾者数が前年同月と比べ1割弱、市進HDでは2割程度減ったもようだ。早稲田アカデミーでは3月中旬の問い合わせが「例年の半分の500件程度にとどまった」。
 学習塾業界にとって2~4月は年間入塾者数の半分程度を取り込む最大の書き入れ時である。夏期講習を過ぎてしまうと受験対策期間も短くなるため入塾者の大きな上積みは見込みにくい。震災が景気や企業業績に影を落とす中、家計のうち教育費を絞り込む動きも想定され、限られた生徒の獲得に向けた競争が厳しさを増しそうだ。

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