2011年5月24日火曜日

電子マネーの基礎知識(下)ポイント付与見比べて

「袋分け節約法」に活用も
紛失時 記名式なら再発行
 キャッシュカードやクレジットカード、社員証、携帯電話――。気がつけば、身の回りの様々なものに電子マネーがついている。ポイントをためるなど現金よりお得な使い方もある。落としたり発行元が破綻したりしたらどうなるか、注意点も知っておこう。
 「代金はエディで払います」。東京都の会社員、Aさん(40)は積極的に電子マネーのエディを使う。目的は楽天スーパーポイント。エディの利用額200円ごとに1ポイントもらえる。「ちりも積もれば山となる。ポイントがたまれば現金よりお得」という。
前払いか後払いか
 主な電子マネーは利用額に応じてポイントがつく。野村総合研究所の「電子マネーに関するアンケート調査」(2010年)によると、電子マネーを使う理由で最も多かったのが「現金では受けられないポイントや割引のサービスがある」(複数回答で42%)だった。同社上級コンサルタントの瀬尾利数さんは「とくに女性はポイントなどのお得感に注目する」という。
 同じ電子マネーでも発行元が違うとポイントも違う。NTTドコモのiD(アイディ)は、同社が発行元で同社のクレジットカード「DCMX」についていれば「ドコモポイント」がたまり、クレディセゾンが発行元でセゾンカードについていると「永久不滅ポイント」がたまる。
 エディはビットワレット(東京・品川)が発行元で、携帯電話の「おサイフケータイ」機能で使う場合、楽天スーパーポイントや全日空のマイルなど10種類から選んでためられ、変更も自由だ。
 ポイントの付与率は通常、利用額の0・5%。もっと高いこともある。例えばスイカをJR東日本の駅の飲料自動販売機で使うと100円で1ポイントつく(付与率1%)。半面、スイカでポイントをためるには事前登録が必要で、支払いはできてもポイントがつかない店舗もある。ポイントがつく条件は電子マネーのウェブサイトなどで調べよう。
 前払い式と後払い式ではポイントの計算方法が違う(表A)。前払い式は支払うたびに計算。200円で1ポイントつく場合、398円の買い物では1ポイントしかもらえない。一方、後払い式は毎月の合計利用額で計算し、1回の支払額の端数が無駄にならない。電子マネーがついたクレジットカードの利用額が多ければ、付与率が上がったりボーナスポイントがついたりする。
 ただ「電子マネーは少額の支払いが多く、ポイントはクレジットカードに比べてためにくい」(瀬尾さん)のも事実。「お得感より使いすぎを心配する人も多い」という。
利用額多いと通知
 とくに入金不要の後払い式は、使いすぎが不安な人もいるだろう。そんなとき、例えばJCBが発行元のクイックペイは、カードと合わせた毎月の利用額があらかじめ設定した金額を超えると電子メールで通知する。こうしたサービスがあれば活用したい。
 前払い式は入金の手間を逆手にとると、支出の目的別に予算を別々の袋に入れて管理する「袋分け」に使える。
 例えば最寄りのスーパーで使える電子マネーを「食費専用」と決め、1カ月の食費の予算分を入金し、食材の買い物はそれだけで済ませる。交通系の電子マネーは交通費、コンビニや社員食堂で使える種類は平日の昼食用など、専用のお財布感覚で使い分けると袋分けと同じ効果がある。
 使いすぎを防ぐため、クレジットカードからの自動入金(オートチャージ)機能は利用しない選択肢もある。
 万一の事態にも要注意だ。なくしたらどうなるか。
 後払い式はクレジットカードと同じで、発行会社に連絡すれば利用停止される。先にお金を払う前払い式は、基本的には財布ごと現金を落とすのと同じだ。ただスイカやワオンは個人情報を事前に登録する「記名式」なら再発行が可能で、利用停止した時点の残高を移し替えて再び使える。ワオンは無記名でも、名前など一部の個人情報を簡易登録すればいい。
 前払い式は発行元が破綻したら残高が補償されるかどうかも気になる。中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也さんは「サーバー型を含む前払い式の発行元は、定期的に計算した未使用残高の半額以上を供託し、とりわけておくよう資金決済法で決まっている」と説明する。半額では不安との声もあるが「破綻時に残る会社の財産なども考えれば、ある程度は安全だ」という。

0 件のコメント:

コメントを投稿