2011年5月31日火曜日

旅行積立、旅先・時期明確に――利率、年1%台後半~3%

一括払い上乗せも
 そろそろ夏休みの旅行計画を立て始めた人もいるだろう。旅行には行きたいが、資金がたまらないという人に向くのが、旅行会社や航空会社の旅行積立サービス。使い道が限られるため、計画的に費用をためることができる。利用時の注意点や各社のサービスの特徴をまとめた。
口座引き落とし
 旅行積立とは、満期に受け取る旅行券の金額と積立期間をあらかじめ決めたうえで、月々一定額を銀行口座からの引き落としで積み立てる仕組み。旅行会社や航空会社が様々なプランを用意している。満期時には、年利に換算して1%台後半から3%のサービス額(利息に相当)が上乗せされる(図A)。
 ファイナンシャルプランナーの平野泰嗣さんは「旅行に行きたい気持ちはあるが、資金がなかなかたまらない、手元にまとまった余裕資金がないという人に向くサービス」と話す。
 積み立てを始めるにあたっては、いくつかのポイントを押さえておきたい(表B)。まず、銀行預金ではないので、上乗せ付与されるサービス額に対して税金はかからない。ただし万一、積立先の会社が破綻した場合の元本保証はなく、手持ちの旅行券が使えなくなるおそれもある。
 旅行ジャーナリストの村田和子さんは「『3年後に家族でハワイ旅行』『退職したら夫婦で欧州を回る』など、旅行の行き先と時期のうち、少なくとも一つは決めておいた方がいい」と指摘。「震災後、外国人旅行客の減少で国内の観光地はどこも苦しい。東北を含め国内への旅行を計画してはどうか」と提案する。
 「銀行に預けるよりも利率が高い」というだけの理由で積み立てを始めても、旅行券の使い道は旅行関連に限られている。せっかく手に入れた旅行券も使わなければ無駄な支出でしかない。先の予定がなかなか立たない人や、思い立ったらすぐに旅行に出掛けたいという人にも向かないサービスといえる。
 積立先の会社を選ぶポイントは、行き先がすでに決まっているかどうか。節約アドバイザーの矢野きくのさんは「ハワイや沖縄など国内外のリゾート地に行くと決めているなら航空会社で、行き先が決まっていないなら旅行会社がよい」と助言する。
 表Cに旅行、航空各社の主な旅行積立サービスをまとめた。全日本空輸と日本航空は旅行各社に比べ、サービス率が高い。理由は両社の販売するツアー商品の行き先が原則、自社便の就航先に限られるためだ。旅行券は航空券のみの購入や系列ホテルでの支払いなどに使うこともできる。
 一方、旅行各社はサービス率は低めだが、交通手段や航空会社の別なく国内外の幅広い旅行先を手配できる利点がある。ただ、日本旅行を除きJR券のみの購入はできない。航空券のみの購入ができるか、物販に利用できるか、釣り銭が出るかなど、事前に旅行券の使える範囲をよく確認するのが肝心だ。
再発行は不可能
 満期後に届く旅行券は金券だ。紛失や盗難に遭っても再発行はしてもらえない。ただし、JTBと近畿日本ツーリストは紙の旅行券ではなく記名式のカードを渡しており、再発行に応じている。カード番号などを入力することで、ネット上で予約から決済まで完了させることもできる。
 途中解約を申し出た場合、払い戻しは現金ではなく旅行券となる。積立期間が1年未満ではサービス額の上乗せはなく、会社によっては千円未満の金額を切り捨てるため、元本割れとなることもあるので注意が必要だ。月々の積立額は無理のない範囲で設定したい。ボーナス月のみ増額できる会社もある。
 各社とも、積み立てに比べてサービス額が増える一括払いコースも用意している。旅行ジャーナリストの村田さんは「一度にまとまった資金を用意できるのであれば、クレジットカード会社のツアーデスクを利用する手もある。3~5%引きで大手旅行会社のツアーを手配でき、ポイントもたまる」と話す。

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