1回引き出し=50万円の利息1年分 優遇生かし目減り防ごう
給与振込や公共料金の引き落とし、毎月の積み立てに余裕資金の運用など、銀行などの預貯金は毎日の生活と切り離せない。夏のボーナスでまとまったお金が振り込まれる人も多いだろう。日常的に使うからこそ、預貯金の基礎をおさらいして家計に役立てたい。
普通預金、定期預金、貯蓄預金――。預貯金には様々な種類がある。共通するのは原則的に「元本割れしない」「金利が付く」ことだ。
「守り」の運用向き
仮に預け先の金融機関が経営破綻しても、元本1000万円とその利息までは保護される。家計管理の面では「いざ、という時に備えた『守り』の資金の運用に向く」(ファイナンシャルプランナーの三輪鉄郎氏)とされている。
「普通預金」はATMや金融機関の窓口でいつでもお金を引き出せて、給与振込のほか公共料金、クレジットカードの引き落としなどに使う。「定期預金」は1年間、5年間など一定期間引き出さない前提の預金をいう。
預貯金は基本的に引き出しにくいほど金利が高くなる。例えばいま大手銀行の普通預金の利率は年0・02%程度で、5年定期(300万円未満)は年0・06%程度。定期預金のほうが金利は高い。
普通預金と定期預金の中間の性格をもつ「貯蓄預金」というものもある。いつでも引き出せて、お金の残高が多いほど金利が高くなる仕組みが多い(最近は普通預金と同じ水準が目立つ)。ただ給与振込や公共料金の引き落としなどには使えない。
預金ができる金融機関は大手銀、地方銀行、信用金庫、信用組合、インターネット専業銀行など幅広い。ゆうちょ銀行やJAバンクは預金のことを「貯金」と呼ぶが、実質的には預金と変わりはない。
金融機関は預貯金で集めた資金を企業や個人への貸し出しや、国債など金融商品の購入などに振り向け、利益を得ている。個人が預けたお金に金利がつくのはそのためだ。
日常で使う機会が多いのは普通預金だ。小遣いの引き出し、他の口座への振り込みなど家計の「財布」になる。
普通預金を使う際には手数料に気を付けたい。金利が低く、使う頻度が多いため、油断するとためるどころか目減りしてしまう。コンビニエンスストアのATMで現金を引き出すと100円程度の手数料がかかることが多い。大手銀行の最近の金利なら50万円を1年間預けたときの利息に匹敵する。ATMを使ってほかの銀行口座に振り込むと、630円かかる場合もある。
違い知って利用を
預貯金の引き出しや振り込みにかかる手数料は、利用する金融機関、ATMの種類、時間帯などで違う。よく使うサービスで有利な金融機関を使い、出費を抑えたい。
例えばりそな銀行の「インターネット通帳」口座は、ネットを使えばほかの銀行向けの振込手数料が100円(グループ内なら無料)と安い。インターネット専業銀行も大手銀より他行宛ての振込手数料を抑えている。ゆうちょ銀行は同行の口座同士ならATMの振込手数料が無料だ。
大手銀に口座を持つ場合は会員向けの優遇サービスを活用する方法もある。資産残高や給与振込などの条件を満たせば、ATMの時間外手数料が無料になったり振込手数料を割り引いたりする。みずほ銀行では他行宛ての振込手数料(210~630円)が月に3回まで無料になる。
ネットで「家計簿」
普通預金の出入金記録は、そのまま「家計簿」としての意味を持つ。預金者向けのサービスをうまく使えば手軽に家計の収支も管理できる。
インターネット専業のソニー銀行は他行を含めた銀行口座の残高やクレジットカードの取引明細を一覧できるサービスを提供している。口座情報や暗証番号などを登録しておけば、自動的に情報を集めて表示する仕組みだ。
複数の銀行を使い分ける際には、口座を放置しないように気を付けたい。金融機関によって条件は異なるが、一定期間取引がないと「休眠口座」とみなされ管理手数料を請求される場合がある。
三輪さんは資産運用の第一歩として「半年間、収入なしで生活できる金額を普通預金で用意したい」という。すぐに現金が必要な「万一」のときに頼りになるためだ。目標額がたまったら、他の金融商品にお金を振り向けよう。
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