ファイナンシャルプランナー 和泉昭子氏
会社の定年退職を2年後に控え、老後の生活に不安を感じています。65歳になる前に年金を受け取れると聞いたのですが、詳しく教えてください。(神奈川県、58歳、男性)
年金といえば65歳から受け取るもの、と思われがちですが、自分のライフスタイルに合わせて受給開始時期を最大で前後5年ずらすことができます。
会社員の場合、国民年金である「老齢基礎年金」と、会社勤めで加入した「老齢厚生年金」の2種類の年金があります。年金は生年月日によって、60歳から65歳になるまでに支払われる「定額部分」や「報酬比例部分」という特別支給があったり、個々で大きく異なったりします。年金事務所で受給内容と開始時期を確認したうえで、変更を申請するのをお勧めします。
質問者は1953年4月2日以降生まれの男性なので、老齢基礎年金は65歳、老齢厚生年金は報酬比例部分の受給が61歳から始まります。受給を繰り上げたいのであれば両方を同時期にし、片方のみ早めることはできません。
年金はいずれも1カ月繰り上げるごとに0・5%減額されます。質問者が受給を60歳に繰り上げた場合、老齢基礎年金は5年早まるので30%減、老齢厚生年金は1年なので6%減になります。一度変更すると減額は生涯続き、取り消せないので注意が必要です。
老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給を早めると、後に病気やケガで重い障害が残っても障害基礎年金は受け取れません。受給資格期間を満たした夫が年金をもらう前に死亡した時に妻が受け取る寡婦年金(60歳から65歳に達するまで支給)の受給資格も失います。一般的にこれらの年金の方が手厚いので、損をする可能性もあります。65歳前に遺族厚生年金の受給権が発生したときは、老齢基礎年金か遺族厚生年金かどちらかを選ぶことになります。
一方、受給を繰り下げた場合、1カ月ごとに0・7%増額されます。受け取りを70歳に遅らせると、年金額は42%増えます。
繰り下げの時期は、老齢基礎年金と老齢厚生年金でそれぞれ設定できます。また一定の貯蓄がある夫婦の場合、一般的に女性は平均寿命が長いので、妻の分だけ受給を繰り下げるなど柔軟に対応するのも一つの手です。
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