2011年6月21日火曜日

ゼロから知る預貯金(下)定期預金――ためる習慣身につける

低金利でも安全・引き出しにくく
用途別や「積み立て」活用
 預貯金のうち、普通預金が普段のお財布だとすれば、定期預金は「将来の資産の種となるお金」だ。金利こそ低いが、しばらく使わないお金を預けておいたり、少しずつコツコツためる習慣をつけたりするのに便利な存在だ。
 「えっ、こんなに低いの?」――。東京都に住む会社員(44)は、口座を開いているインターネット専業銀行のサイトを見てがっかりした。ボーナス時期にいつも定期預金の金利が高くなるキャンペーンがあり、楽しみにしていた。ところが今年夏のキャンペーン金利は年0・3%。「数年前は年0・8%くらいだったのに」と振り返る。それでも大手銀行の定期預金に比べれば5~10倍の金利だ。
国債利回りが影響
 「この低金利下ではボーナス時期のキャンペーンでも、一般的な定期預金の金利を上げるのは難しい」。銀行関係者はため息交じりに話す。銀行が集めた定期預金の運用先は、国債などが多くなりつつある。現在の国債利回りは3年物で0・2%台、10年物でも1・1%台と低い。銀行が運用できる利回りが低ければ、定期預金の金利も低くなる。
 こうした状況で定期預金の金利を高くするには、通帳発行や支店運営などの費用の節約が必須で、一般にネット銀行のほうが金利は高め。店舗を持つ銀行でも、インターネット上の支店やネットバンキング専用の定期預金は金利が少し高い場合もある。
 金利は低くても、定期預金は将来に向けて資産をつくる第一歩だ。ファイナンシャルプランナーの吹田朝子さんは「安全で引き出しにくい定期預金は、お金をためる習慣を付けるのに最適」と言う。
 定期預金は基本的に引き出さないことが前提で、普通は預ける期間が長いほど金利が高い。満期を待たずに解約すると、金利がかなり低くなるのが一般的だ。
 途中で解約する際の金利計算は、金融機関や定期預金の種類によって違う。普通預金と同じ金利になるのはまだいい。元の定期預金の金利を、解約までの期間に応じて決めた割合で割り引く場合、金融機関によっては普通預金の金利を下回ることもある。
預け方ひと工夫
 一定の「据え置き期間」が終われば、金利が低くならずに引き出せるものもある。ゆうちょ銀行の定額貯金は半年を過ぎれば払い戻しは自由だ。
 まとまったお金を一度に預けるほかに、少額ずつコツコツためたい人には積み立て定期がある(表A)。吹田さんは「新社会人など貯蓄を始める人には、自動振り替えで天引き感覚でためられる積み立て定期が向いている」と話す。
 一度にまとまったお金を預ける定期預金は「近い将来使う予定があり、減ったら困るお金を預けるのに適している」(吹田さん)。ただし全額をまとめて解約するのが原則。預け方には注意しよう。
 目的別にお金を管理しやすいサービスもある。住信SBIネット銀行では、1つ口座を開くと5つまで「目的別口座」を作れる。定期預金も作ることができ、教育費や住宅購入資金など用途別に名前を付けて預入期間を選べる。ほかの銀行でも定期預金は何本も作れる。普通は名前は変えられないが、定期預金を目的別に作るのもよさそうだ。
 どうしても必要なら満期前に一部だけ解約できる場合もある。ソニー銀行は1万円以上1万円単位、積み立て定期なら毎回の預入金額を1単位として解約可能。解約分の金利は低くなるが、残高が一定以上残れば、元の金利で定期預金を継続できる。
 定期預金の金利には「単利」と「複利」がある。違いをおさらいしよう。
 単利は預け入れたお金に対して利息を計算し、利息は毎回、切り離して受け取る。一方、複利は預けたお金に対して計算した利息を元金に加えることで利息にも利息がつく。利息は満期にまとめて受け取る。単利と違って途中でお金を受け取ることはできないが、効率よくお金を増やせる。例えば100万円を年1%で20年預ける場合、単利では満期までの受取利息が計20万円だが、複利では満期に受け取る利息が約22万円になる(グラフB)。
「お助け役」要注意
 ときには定期預金はお金をためる以外の役割も果たす。手元の通帳の表紙に「総合口座」と書いていないだろうか。総合口座は普通預金と定期預金などをまとめて管理する。
 例えば普通預金から自動引き落としで支払う公共料金が残高不足で支払えないとき、総合口座では定期預金が「お助け役」となる。定期預金の残高を担保にして銀行が不足額を貸し付け、普通預金が残高ゼロでも支払いできるのだ。ただ残高不足を穴埋めした金額は借金なので、担保にした定期預金より高い金利を払うことが多い。普通預金の残高不足にはやはり注意が必要だ。

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