ネット 近場で短期間は割安
夏の節電対策で、企業の長期休暇が増えるといわれる今年、海外旅行を計画する人もいるだろう。海外での病気や事故など不測の事態に備えて入っておきたいのが海外旅行保険。旅行会社の店頭で申し込む以外に、インターネット専用商品やクレジットカードの付帯サービスなどもある。それぞれの特徴を理解すれば、上手に海外旅行保険を利用できそうだ。
「これまでは出国直前に成田空港で旅行保険に入っていたが、ネットで申し込んだら、保険料が安く済んだ」と話すのは、今春、香港に旅行したA美さん(32)。
日数や渡航先確認
これまで旅行会社の店頭で販売されるのが多かった海外旅行保険が、最近はインターネット経由でも手軽に契約できるようになった。大手損保各社が店頭販売している商品と同じものや、保険内容を簡素化したものを提供しているケースが多い。店頭販売に比べた価格の安さが売り物だ。
ネット専用商品は2002年に損害保険ジャパンが「off!(オフ)」を発売したのを手始めに、06年に三井住友海上火災保険が「ネットde保険@(あっと)とらべる」で追随した。エイチ・アイ・エスの関連会社のエイチ・エス損害保険も今年7月以降の旅行を対象に「スマートネッと」を発売している。
「@とらべる」などは店頭商品に比べ「約40%OFF」をうたっている。対面販売する店頭商品に比べ、販売コストを抑えられるからだ。A美さんも香港4日間の旅で、ネット専用の海外旅行保険に入ったら1680円だった。これまで利用していた店頭商品に比べ半分以下で済んだという。
店頭販売の商品のほとんどが旅行日数に応じて料金を設定しているのに対し、ネット専用商品は渡航先によっても保険料が変わる例が多い。エイチ・エス損保が7月出発分から販売している「スマートネッと」は世界を3地域に分けて料金を設定した。最も割安なのがアジア・オセアニア・グアム地域。次いで北米・ハワイ地域が安く、ヨーロッパ・中南米・アフリカ地域は高い。アジア地域に比べ、北米を1日当たり約100円、欧州地域は約200円程度高く設定してある。
日本人の旅行頻度や地域による保険金支払い発生額の違いなどを考慮した結果が料金差となっている。ネット商品が狙うのがアジアなどに出掛ける海外旅行の中心層。日程が短く近い地域に行く旅行客に割安な料金を設定し、販売件数の拡大を目指している。
ネット商品は短期間の旅行で利点が多く、お得感も高いが、アフリカなどに長期間出かける場合は、店頭商品の方が安い例もあるという。
サイトで料金比較
料金の比較はインターネットの価格比較サイトを利用する手もある。その一つ、アドバンスクリエイトが運営する「保険市場」では幅広い保険商品の比較が可能だ。海外旅行保険も対象で、旅行日数と行き先を入力すれば、料金の安い順に保険商品が表示される。
損保ジャパンはネット商品でフリープランを出している。治療費用を基本補償とし、死亡保険や、持って行った物が壊れた場合などの携行品損害などは特約として自分で選べる仕組み。例えば、「独身なので死亡保障はいらないが、現地での事故が心配なので、保険は治療費用だけでよかった」というA美さんの場合、治療費用1000万円の保険だけに入れば、香港4日間で保険料は1280円で済んだ計算だ。治療費用を2000万円に引き上げても1290円とほぼ変わらない。
海外旅行保険のネット販売は、インターネットの普及を背景に拡大しつつあるが、関係者によればネット販売の比率はまだ10%弱。90%以上の人は代理店を通じて保険に加入しているという。「補償内容やサービスの質などを考えれば、旅行会社で入る商品を割高とは感じない」と話すのは都内在住のB夫さん(47)。海外に行く時は必ず代理店で海外保険に入るという。
店頭商品のセールスポイントは補償とサービスが充実していること。ネット専用商品ではケガや病気などで死亡した際の障害死亡の保険金額は最大で3000万円。「何かあった時に残された家族のことを考えれば5000万円以上の死亡保障がある保険に入っておきたい」とB夫さんは話す。
治療費用についても、B夫さんが入るのは費用の上限がない無制限プラン。海外で集中治療室に入るような事故に遭えば、1日当たりの治療費が100万円かかることもある。JTBのグループ会社、ジェイアイ傷害火災保険では、海外旅行保険で37・5%が無制限プランに加入しているという。
東京海上日動火災保険が手掛けている商品は、「世界100都市に300カ所以上の提携病院を持ち、契約者が保険証券を見せるだけで現金を払わずに治療が受けられる」という。ジェイアイも「女医の有無や、予約の可否まで掲載したガイドブックを出している」と話す。保険料や補償金額だけでなく、サービス内容も含めて自分の旅行に合った保険を選びたい。(石原恭子)
クレジットカード 保険の条件に注意
海外旅行の際に、旅行保険に加入している人は3~5割程度とみられる。「クレジットカードに保険がついているので必要ない」と考える人も目立つ。実際、C子さん(40)もハワイ旅行の際、子供が熱を出して医者にかかったが、請求された約400ドルは帰国後、カード会社から支払われた。「カード会社のサービスセンターに電話したら、日本語が話せる医師を紹介してくれたので助かった」という。
カード会社の発行する一般カードなら年会費1500~2000円程度、ゴールドカードでも1万円程度で旅行保険が付いているケースが多く、保険加入の出費を抑えられる。ただ、けがなどの治療費は100万~300万円程度が一般的で、事故で大けがをすれば治療費や搬送費が1000万円を超すこともあるので注意が必要だ。
さらに、カードのなかには旅行代金や航空券など旅行に関する費用を決済した場合だけに保険が利用できるものもある。カード各社は「旅行に行く前に、自分が持っているカードの保険内容と、利用条件を確認してほしい」と呼びかけている。
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