ファイナンシャルプランナー 畠中雅子氏
定年間近の会社員です。7年前に購入した自宅マンションのローンが約1500万円残っています。現在、預貯金は1千万円。退職金は2千万円を見込んでいます。ローンの全額繰り上げ返済を考えていますが、老後の蓄えに不安が残ります。どのような対処方法があるか教えてください。(東京都の50代男性)
購入時期が遅かったり、住み替えをしたりした場合、退職年齢を過ぎても住宅ローンの返済が続くことは少なくありません。相談者の場合、選択肢は大きく分けて3つあります。
(1)退職金で一括繰り上げ返済 将来の金利負担がなくなる利点がありますが、手持ちの預貯金は大きく減ります。相談者の場合は、退職金の大半を充てることになり、手元に残るのは1500万円。生活スタイルにもよりますが、夫婦2人で平均余命まで生きるとすると、十分とはいえないかもしれません。
(2)従来通り、月々の返済を続ける 退職金をまるまる手元に残すことができる半面、再就職などで一定の収入を確保できないと年金の満額受給開始まで家計の赤字が続く可能性があります。そうなると、向こう4~5年間、蓄えをずるずると取り崩す生活が続くおそれがあります。(1)との折衷案として、一部繰り上げ返済で、月々の返済額を減らす手もあります。また、完済前に相談者が亡くなった場合、団体信用生命保険に加入していればローンの残額が清算されます。
(3)金融型リバースモーゲージに借り換える リバースモーゲージとは、高齢者が自宅を担保に老後の生活資金などを借り入れ、死後に担保になった土地や住宅を売却して一括返済する仕組みです。自宅に住み続けながら、生きている間は、利息のみの支払いで元本返済は不要です。
一部の金融機関では、借入額と同額以上の預金をすることで、利息を支払わなくて済む仕組みを導入しています。リバースモーゲージを使って借換資金を捻出したうえで、同額の預金をすれば、手持ちの資金を減らすことなく、利息負担からも解放されます。もちろん、預金額が借入額を下回れば、利息の支払いが発生します。老後資金のめどが立った時点で一括返済しないと、妻や子どもに住宅を残せない可能性がある点にも注意が必要です。
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