ファイナンシャルプランナー 深野康彦氏
将来の円安を見込み、外貨投資を始めようと考えています。手法は外貨預金か外貨MMF(マネー・マーケット・ファンド)のいずれかを検討しています。助言をお願いします。(福岡県の30代女性)
2008年秋のリーマン・ショック以降、米ドルやユーロなどの主要通貨は以前に比べて金利水準が低くなっています。そのため外貨投資では、為替相場が今よりも円安になった場合に得られる為替差益が主な収益源になります。利益を得るには、円を外貨に替える際の「入り口」と、外貨を円に戻して以降の「出口」の両方のコストを意識しましょう。
「入り口」のコストは両替手数料です。外貨預金は取り扱っている金融機関が多く、通貨の種類も豊富ですが、大手銀行では1米ドルを両替するのに片道1円の手数料がかかる場合が多いようです。数十銭に抑えたネット銀行もあります。証券会社の扱う外貨MMFの場合、大手証券でも1米ドルあたり片道50銭とコストが安いほか、利回りも高めの傾向があります。いずれも、金利(外貨MMFは分配金)は20%の源泉分離課税の対象となります。
「出口」のコストにも注目しましょう。1年後、為替が円安に振れて為替差益が発生したとします。外貨預金の場合、為替差益は雑所得とみなされ、会社員なら給与所得などとまとめて総合課税されます。一方、外貨MMFの為替差益は非課税です。極端な例ですが、表の試算では課税の有無で収益に約5万7770円の差が生まれています。
相談者の所得にもよりますが、為替差益を得たことで所得が増えれば1段階上の税率を適用されるおそれがあります。専業主婦の場合は年間所得が38万円を超えると、配偶者控除の適用が受けられなくなり、夫の納税額が増えることもあります。自営業者なら世帯収入の増加により、健康保険料や介護保険料などが上昇する可能性もあります。
為替差益が非課税の外貨MMFならば、これらの心配はありません。取り扱い通貨は原則、主要通貨に限られますが、「入り口」の手数料の安さを含めて外貨預金よりも有利な運用ができるといえるでしょう。
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