契約・工事巡りトラブルも
東日本大震災を機に、太陽光発電を導入する一般家庭が急増している。支給される補助金の申請件数は4~6月で5万件を超え、前年同期から6割増のペース。停電への対策のほか、家庭で余った電気は電力会社が買い取るため、導入した人たちは「節電にも協力できる」と話す。一方、契約や工事を巡るトラブルも少なくなく、国民生活センターなどが注意を呼び掛けている。
「晴れの日が楽しみ」。千葉県市川市の自動車部品店経営、井上憲一さん(38)は、2階建ての自宅屋根に取り付けたばかりの太陽光パネルを見上げて笑顔だ。設置のきっかけは震災後の電力不足。近所の人から「太陽光があれば、停電でも大丈夫」と聞き、5月中旬に導入した。
居間には、発電量と消費電力量が同時に表示されるモニターが置かれ、井上さんは「これまで気にせず電気を使っていたが、(6人の)家族皆、ゲーム感覚で電化製品をどんどん消すようになった」。実際、5月の電気料金は今までの半分の約12000円。さらに、余った電気は売電に回し、東京電力から約6000円が振り込まれた。「楽しみながら節電にも協力できる」と笑う。
設備の導入に際し国から支給される補助金の申請件数は今年4~6月、5万3千件超で、昨年同期から約6割増。情報サイト「太陽生活ドットコム」の小川誉久編集長は「震災でエネルギー問題への関心が高まり、停電対策や社会貢献として始める人が多い」と話す。
家庭で余った分は電力会社が買い取ることが制度化されており、「一般に、発電量の半分程度が売電に回る」(資源エネルギー庁)。2010年度の全国の買い取り量は10億キロワット時超とみられ、総需要量の1%未満だが、資源エネルギー庁は「伸びしろが大きいエネルギー源として期待できる」としている。
一方、導入例が増えるにつれトラブルも目立つ。国民生活センターに寄せられた太陽光発電に関する相談は昨年度、約2600件。今年4月以降はすでに400件超で、昨年より100件ほど多いという。
訪問販売業者と契約した人からの相談が多く、「業者の説明と比べ3分の1しか発電しない」「補助金に期限があると言われ契約を急がされた」などの相談があったという。太陽光発電の相談に応じている特定非営利活動法人(NPO法人)「太陽光発電所ネットワーク」(東京)の都筑建事務局長は「複数の業者から見積もりを取って比較し、日当たりなど実際の生活環境を考慮に入れてよく確認することが大切だ」と話している。
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