投資信託の運用会社が投信保有者に支払う「分配金」が急増している。今年上期(1~6月)の支給額は2兆3000億円を超え、8半期(4年)ぶりに過去最高を更新。低金利下で個人の現金収入に対する需要が強まる中、分配金を頻繁に出す投信の残高が積み上がり、支給額が膨らんだ。「高額分配」をうたう投信も増えているが、高リスクの運用や元本の払い戻しで支払う例もあり、商品選びで注意が必要との声も多い。 分配金は投信の運用資産を一部取り崩して、支払う。投信が組み入れた株や債券などの配当・利子収入や、値上がり益が主な原資。もともとは分配なしの投信が多かったが、現在は分配型が急増している。 野村総合研究所が投信の分配金支給額を集計したところ、上期は2兆3149億円と前年同期比43%増えた。増加は4半期連続。支給額は2008年の金融危機後に投信の運用成績が悪化していったん減少したが、その後再び増加している。 分配金を出す投信の中でも人気が高いのは、「毎月分配型」だ。6月末の残高は36兆円。公募投信の残高全体に占める比率は約55%に達し、わずか2%だった10年前から急上昇した。 低金利が長引き預金の利子収入のみで資産を増やすことができないなか、高齢層が年金の補完的な役割を期待して分配型投信を積極的に購入している。「給与所得が減少したため購入する現役世代も確実に増えている」(SMBC日興証券) 価格変動リスクの高い資産で運用し、従来より高い分配金を出す商品が増えたのも支給額の増加に拍車をかけている。上期はブラジルなど新興・資源国の債券や米国の低格付け社債といった外国債券で運用する投信の支給額が1兆4834億円と41%増えた。海外の不動産投資信託(REIT)で運用する投信も3429億円と87%増えた。 ただ最近は成績不振なのに過去の運用益を取り崩したり、投資家に元本を払い戻したりして、高額の分配金を維持する投信も目立つ。投信評価会社モーニングスターが、基準価格(投信の時価)に対して過去1年間の分配金支給額が大きく、分配金利回りが高かったファンド上位20本を調べたところ、7割に当たる14本が期間中の運用益以上の分配金を出していた。 「実力以上」の分配金を受け取っても投資家にとって利益が出たと言えない。運用内容より分配金の水準で商品を選ぶ個人が増えているが、「分配金だけでなくトータルで運用益が出ているかどうかに目を向ける必要がある」と投資信託協会の稲野和利会長は指摘する。 |
2011年7月13日水曜日
投信分配金4年ぶり規模、1~6月、低金利で個人購入増――運用成績伴わぬ例も。
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