ファイナンシャルプランナー藤川太氏
ボーナスや給料が減り、住宅ローンの支払いが厳しくなってきました。そこで10年前に加入した低解約返戻金型の終身保険を解約しようとしたところ、中途解約は損になると聞いて迷っています。(千葉県、50歳、男性)
死亡時や高度障害状態になったときのための保障が一生涯確保できる終身保険には、一定年齢に達するまで保険料を払い続ければ、その後は保険料を払い込まなくても保障が続く商品があります。この商品では保険料の払込満了後に解約すれば、払い込んだ金額以上の解約返戻金を受け取れるのが一般的です。そのため貯蓄性の高い商品として加入する人も多いようです。
なかでも「低解約返戻金型」と呼ばれる終身保険は、1990年代末から販売が始まり、ここ数年で急激に加入者が増えました。通常の終身保険に比べ月々の保険料が割安ですが、払込期間中に解約すると、通常の終身保険に比べ解約返戻金が3割ほど少ない設定になっています。質問者が「解約すると損をする」と話しているのはこのためです。
一般的には、低解約返戻金型の終身保険は解約を慎重に考えたほうがいいでしょう。通常であれば払込期間が終われば、払い込んだ保険料の総額以上の解約返戻金が受け取れるためです。ただ、収入が大きく減り、その状況が長引く場合は損失覚悟で解約するのもやむを得ません。
質問者のように住宅ローンがある場合は、むしろ解約した方が有利な場合があります。返戻金では「損」をしますが、受け取った資金をローンの繰り上げ返済に回せば、その分利払いが軽減されるからです。条件にもよりますが、返戻金の減額分よりもローンの利払い軽減効果が大きい場合も多いようです。
ローンがない場合は現在の終身保険を「払い済み」保険に変更する手もあります。払い済み保険は保険料の支払いを停止し、解約返戻金を元手にして保険内容を変えるものです。当初の契約よりも保険金額がかなり小さくなり、特約もなくなります。払い済み保険に変更できない場合もあるので、保険会社によく確認したほうがよいでしょう。
通常は、貯蓄性の高い保険商品の金利に比べると住宅ローン金利のほうが高いので、ローンを払いながら利回りの低い保険に固執するのは得策ではありません。貯蓄と運用、ローンも含めたバランスを考えることが重要です。
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